浙江のハイプレスを破った甲府
甲府は前半9分に浙江のハイプレスを浴び、パス回しを自陣右サイドへ追いやられたが、ここでボールを受けたDF井上詩音(センターバック)が最前線のウタカへ正確なロングパスを供給。屈強なポストプレーを披露したウタカのパスが僅かにずれ、一度浙江にボールを奪われかけたものの、MF中村が奪還してロングカウンターに繋げた。
同じく甲府が浙江のハイプレスに晒され、自陣右サイドに釘付けにされた前半11分には、ボランチの林田からウタカに正確なロングパスが送られている。ここでもウタカのポストプレーが冴え渡り、同選手のパスを受けた宮崎のドリブルから縦に速い攻撃が始まった。
ハイプレスを浴びたら、まずは最前線のウタカへのパスを試みる。この日の甲府の戦いぶりからはこの原則が窺え、これが強力な打開策になっていた。ウタカの得点力やボール保持力に救われた感もあるが、甲府の選手たちの相手の出方を見抜く力、戦況判断力の高さが窺えた一戦だった。