なぜ監督交代は行われたか
10月のインターナショナルブレイク前は6位だったが、監督交代後は14位にまで順位を下げてしまったバーミンガム。好調だったタイミングで監督交代理由は、オーナーである米投資会社ナイトヘッド・キャピタルマネジメントの意向であるとされている。
バーミンガムのCEOであるギャリー・クック氏は、ファンに向けた声明の中で前監督解任理由について「数ヶ月にわたってユースタス監督とミーティングを重ねた結果、クラブの方向性に違いがあることが明らかになった」と説明しているが、詳細については触れられていない。
機を同じくしてルーニー監督は10月4日、米MLSのDCユナイテッドの監督を辞任しており、フリーとなっていたのは偶然ではないだろう。この時点でルーニー監督がバーミンガムに就任するという報道が一部の海外メディアで飛び交っていた。
ユースタス前監督はナイトヘッド・キャピタルマネジメントがチームを買収する前から就任していた監督であり、アメリカでも知名度の高いルーニー監督と共に新オーナーの独自色を出していきたいことが目的だったのではと、現地のジャーナリストの間では考えられている。
変化が見られた第15節の試合展開
新体制後初の勝ち点獲得となった今第15節のイプスウィッチ戦。バーミンガムは【4-2-3-1】を採用した。前節までと打って変わって、前線が積極的に相手DFラインにプレスをかけるハイプレスサッカーで臨む。高い位置でボールを奪える機会が増え、両サイドからチャンスを作れるようになる。
慣れたトップ下ではなく右サイドハーフでの先発出場となった三好は、得点に繋げることができずも積極的なプレスで相手のミスを誘発し、クロスや決定的なパスを出してチャンスを演出した。
これまでのルーニー体制とは見違えるような自信が見られた選手たちに、筆者をはじめメディア席にいた記者たちも驚いたが、「このハイプレスは後半まで保つのだろうか」という心配が的中してしまう。前半に2得点を奪うも、後半になると疲れが見え始め77分に左サイドを崩されると失点。85分に三好を下げて攻撃的な選手を投入するも終了間際に2失点目を許し、ルーニー監督待望の初白星を惜しくも逃してしまった。