レポートの書き出し(序論)の例文
レポートの書き出しで盛り込むべき、目的や背景、概念や手段の説明はどのように執筆すれば良いのでしょうか。ポイントを解説し、参考になる例文をご紹介します。
タイトル
書き出しのタイトルは「はじめに」が使われることが一般的です。読み手側は、「はじめに」と書かれた章をまず読むことで、書き手の主張を理解することができます。本論で論じようとしている内容や目的など、読み手に対して伝えたいことを「はじめに」とタイトル付けしてまとめましょう。
書き出しを「はじめに」とした場合、結論は「おわりに」で締めましょう。セットで覚えておくとスムーズにレポートを完成させられます。
レポート作成の目的
レポート作成の目的は、テーマの背景とそれに関する課題について述べた後に記載します。書き出しに盛り込みたい内容のうち、もっとも重要な項目と言っても過言ではありません。
目的を書く際のポイントは、できるだけ具体的に書くことです。「日本の少子高齢化について論じる」「地球温暖化について論じる」という書き方はテーマが広すぎて、非常に抽象的です。例文を参考に、具体的な目的を考えてみてください。
【目的の例文】
- 本論では、日本の少子高齢化における現状と対策について、社会保障料引き上げの観点から論じる。
- 本論では、日本の教育格差の現状について、家庭の経済力格差や学校外教育を踏まえて考察する。
- 本論では、日本の職業キャリアの多様化について、長寿化や就業期間の延長という観点から論じる。
研究や考察をする上での背景
研究や考察をするうえでの背景とは、レポートのテーマの背後の事情のことです。選んだテーマを論じる理由に繋がる部分と考えておきましょう。
例えば、「働き方の変化と海外移住者数の関係」についてレポートを書く場合、「働き方の変化の現状+海外移住者数の推移」という内容を記載します。その後に、問題提起と論述を行います。
【研究・考察の背景の例文】
- 現在、日本では少子高齢化が進んでおり、それに伴い社会保障給付費が増加している。社会保障給付費は主に保険料と年金で賄われており、社会保障給付費が増加すると国民負担率が増加すると言われている。
- 日本では現在、子供の教育格差が広がっていることが問題視されている。教育格差は、家庭の世帯年収や学校外教育の有無が大きく関係しており、教育格差は世代間連鎖を生むと考えられている。
- 現代は人生100年時代と呼ばれている。世界有数の長寿国である日本では、生涯現役であることが求められている。長寿化に伴い問題視されているのが引退後の資金の確保だ。
研究や考察をする上で重要な概念
研究や考察をするうえで重要な概念は、書き出しの部分で定義づけや意味の説明をします。専門用語も同様に必ず説明しましょう。
【研究や考察をする上で重要な概念の説明例】
- 本論では高齢者とは、65歳以上の男女のことを意味している。
- 教育格差とは、出自や生まれ育った環境によって最終学歴が異なることを意味している。
- キャリアコンピテンシーとは、理想とするキャリアを実現するために主体的に考え、行動する思考や行動特性のことだ。変化の激しい現代において、自分のキャリアを自分で導くために思考し、行動する習慣が身に付いていることが重要だと考えられている。
研究や考察をしたときの手段
研究や考察をしたときの手段も、書き出しで説明すべき内容のひとつです。どのような手段を用いて、研究や考察に必要な情報を収集したのかを明記します。
【研究や考察をしたときの手段の例文】
- 〜について、◯◯を対象にアンケートを行った。
- 〜について実験を行った。