仕事を進める上で必要なプロセスが「交渉」です。両者の合意を得るために行われ、交渉にはさまざまな場面があります。その交渉を行うプロセスで使われるのが「交渉術」です。

交渉術には、人間心理を利用したテクニックが複数あります。なかでも、ビジネスで使える交渉術をご紹介。併せて、交渉を成功させる7つのポイントも解説しています。


本記事の内容をざっくり説明



  • ビジネスでの交渉に使える心理学とは?

  • 交渉術の中には使い方に注意したいテクニックもある

  • 交渉術を学ぶのにおすすめの書籍をご紹介



交渉とは勝ち負けではなく、お互いの利益の最大化を目指すこと

交渉とは、お互いの合意を得るために行われる対話・議論・取引のことを指します。心理的な駆け引きを行い、妥協させた方が勝ちという競争をイメージされることが多くありますが、実はそうではありません。交渉は、お互いの利益の最大化を目指す行為です。

交渉を成功させる7つのポイント

交渉を成功させるには、気をつけるべきポイントが7つあります。交渉は通常の会話とは違い、お互いの利益を確保し合意を得ることを目的に行われるため、事前準備や交渉における心構えが成功のカギを握ります。

交渉を成功させる7つのポイント

ポイント1.事前準備・リサーチをしっかりと行う

ポイント2.Win-Winとなる結果を具体的に検討する

ポイント3.譲歩できる部分とできない部分を決める

ポイント4.相手の状況や感情・タイミングを見極める

ポイント5.相手の思いや意図を理解することに努める

ポイント6.感情的にならず、論理的に筋道を立てて話す

ポイント7.シミュレーションをし、練習する

それぞれのポイントの詳細を紹介していきます。

ポイント1.事前準備・リサーチをしっかりと行う

交渉を成功させる1つ目のポイントは、事前準備とリサーチをしっかり行うことです。

交渉が上手な人に共通していることとして、しっかりと事前準備していることがあげられます。具体的な準備内容としては、状況の整理や交渉相手への理解を深めること、自分のゴールを明確にすること、交渉のシナリオを考えてシミュレーションしておくことの4点が考えられます。

ただ闇雲に交渉術を使っても、相手を納得させられません。特に、相手の目的や組織の中でのポジション、有する権限などの情報は、交渉前に必ずリサーチしましょう。

ポイント2.Win-Winとなる結果を具体的に検討する

交渉を成功させる2つ目のポイントは、Win-Winとなる結果を具体的に検討することです。

交渉と聞くと勝ち負けが思い浮かぶこともありますが、一番理想の形はWin-Winの関係になることです。両者が納得できる結論を具体的に検討しましょう。

Win-Winとなる結果は、自分・相手・全体と3つの視点から客観的に検討することで最適なバランスを見つけられます。

ポイント3.譲歩できる部分とできない部分を決める

交渉を成功させる3つ目のポイントは、譲歩できる部分とできない部分を決めることです。

Win-Winの関係を目指すにあたって、あらかじめ交渉可能な範囲を明確にしておきましょう。価格・期間・内容・条件など、項目ごとに譲歩できる部分を洗い出しておくと、相手の要望に柔軟に対応しつつ、Win-Winの関係を築くことができます。

可能であれば相手の交渉可能範囲もヒアリングしておきましょう。両者の譲歩できる部分とできない部分が噛み合うところを見つければ、お互いに納得できる着地点を容易に見つけられます。

ポイント4.相手の状況や感情・タイミングを見極める

交渉を成功させる4つ目のポイントは、相手の状況や感情・タイミングを見極めることです。

交渉の現場に自身の感情を持ち込むことはタブーとされていますが、相手の感情とは別です。表情や声のトーン、態度などを観察することで、ある程度相手の考えや感情を把握できます。

相手が置かれている状況やタイミングにも配慮しましょう。交渉相手が決定権を持っていなかったり、交渉当初とは状況が変わったりした場合には、交渉を一時的に中断してタイミングを伺う対応も必要です。

ポイント5.相手の思いや意図を理解することに努める

交渉を成功させる5つ目のポイントは、相手の思いや意図の理解に努めることです。

交渉はこちら側の要求を無理に押し通そうとする限り、決してうまくいきません。Win-Winの関係が交渉の理想的な着地点であることを常に意識して、相手の思いや意図を汲み取って話を進めましょう。競争関係ではなく、信頼関係・協力関係を目指してみてください。

ポイント6.感情的にならず、論理的に筋道を立てて話す

交渉を成功させる6つ目のポイントは、感情的にならず、論理的に筋道を立てて話すことです。

交渉は感情的になると冷静な判断ができなくなり、良い結果が出ません。うまく交渉が進まないとつい感情的になってしまいがちですが、そんなときこそ一度落ち着いて、論理的に相手を説得できる道筋を探りましょう。

感情的にならない交渉のコツは、データや情報をしっかりと確認することです。数値を資料にまとめておけば、相手に対して客観的な事実に基づいて話していることを伝えられます。

ポイント7.シミュレーションをし、練習する

交渉を成功させる7つ目のポイントは、シミュレーションや練習をすることです。

複雑な交渉ほど、事前準備と実際の交渉現場のシミュレーション、練習が必要です。上司に交渉相手役をしてもらい、交渉プランを実践してみると準備が足りていない箇所が明らかになります。実際の交渉に活かせるよう、練習後には必ずフィードバックをもらいましょう。