聖骸布から考えられるイエスの死因

キリストの死因を解明するため死体を磔刑に処した狂気の外科医!
(画像=画像は、「Mad Scientist Blog」より,『TOCANA』より 引用)

 イエスが磔刑で窒息死したとすれば、息を吸うために体を持ち上げたはずである。バーベットは、聖骸布を調べたときにこのことを確認した。

 聖骸布はキリスト教の聖遺物の一つで、イエスが死亡した後にその遺体を包んだとされる布である。1353年にフランス・リレのシャルニー家が所有しているのが発見され、現在はイタリア・トリノの聖ヨハネ大聖堂に保管されている。

 聖骸布の真偽については論争が絶えず、科学的調査も行われてきた。1988年には、オックスフォード大学、アリゾナ大学、スイス連邦工科大学が放射性炭素年代測定を実施し、この布が織られたのは1260~1390年の間であると推定された。一方で、3機関が発表前に生のデータの公開を拒否したことなどから、推定結果の信憑性に対する疑問も噴出した。

キリストの死因を解明するため死体を磔刑に処した狂気の外科医!
(画像=トリノの聖骸布 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 この調査が実施される前に聖骸布を調べたバーベットは、手の傷から出た血が異なる2方向に流れているように見える痕跡があるため、イエスが十字架上で2パターンの姿勢をとったのではないかと考えた。そして、イエスはアウフビンデンの受刑者のように、呼吸が困難となる姿勢になってそのまま息絶えたと結論付けた。

 これを証明するため、バーベットは自家製の十字架に死体を釘付けにする実験を行った。ローマの死刑執行人と同じように、作業を素早く乱暴に行って、死体を持ち上げた。その結果、死体が予想通りの姿勢となったことから、イエスは十字架の上でアウフビンデンの受刑者と同じ理由で死亡したと考えた。聖骸布の血痕は、イエスが息を吸うために体を持ち上げた証拠であるという。