官僚を批判するだけでは、何も変わりません。逆に、良い人材が官界に行かなくなり、結局は国民が損するということにも。最近では若くして辞める官僚が増えています。確かに、今の官僚はかつてのような魅力ある職業ではなくなっています。

役人として大成しても、国会議員になったら年齢的に大臣ポストを一つできるかどうか。

大学同期と比べて低かった給与を退官後に取り戻そうとしても、オモテからの天下りはできない時代になりました。

行革だの規制改革だの言ってみたところで、官僚のモチベーション自体を変えなければ、官僚システムの弊害は水面下にもぐり、「改革」はモグラたたきで終わるだけ。

私はかねてから、今の官僚は、言ってみれば、みんなが事務次官を目指す仕組みの下で「偉大なるシロウト」であり、

結果として霞が関は「退官後の生活保障共同体」となってきたと指摘してきました。

だから、プロとして手に職をもたないシロウトである先輩が、退官後に、他の先進国に比べて少ない年金を補い、それなりの所得と処遇を維持できるよう現役官僚たちは自分の役所の権限や規制にしがみつく。

プロフェッショナリズムを軸に、官僚の置かれた制度的な枠組みの方を変えなければなりません。

私はそのための提案として、彼らがプロフェッショナルとして生涯にわたり、自分の分野を追求して生きていけるよう、

リボルビングドアシステムの拠点となる「インスティテュート」を提唱してきました。

参政党の政策にも盛り込んでいます。

他方で八幡和郎氏は、フランスのように事務次官制度を廃止することを提案しています。

いずれにしても、最近では東大の人気就職先が官僚ではなく外資となっている現状では、日本はますますグローバリズム勢力に身を売る国になってしまうでしょう。

官僚出身者どうしで八幡氏と官僚の現状とあるべき姿について議論いたしました。

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