少なくとも七年半に及ぶ安倍長期政権の後半において、安倍氏は岸田氏を後継者候補ナンバーワンと想定していたし、私もそれがいいと思った。
安倍外交を大過なく引き継ぎながらも、国民の飽きを防ぐためには経済社会政策では、少しリベラルな基本ポジションに軸足を移したほうがよいように見えた。また、いい加減に決着をつけねばならない憲法改正にしても、「戦後レジームの克服」などと高飛車な安倍氏の姿勢よりも、「実態と合わないから」という岸田氏のソフトムードの方が国民投票で負けるリスクが小さい。
昨年の総裁選挙では、河野太郎新総裁を回避するためには、高市早苗氏を安倍首相が指示したのは、三つ巴にする必要があったからで、岸田氏の当選を安倍氏も想定していたはずだ。
そして、就任後の岸田首相は無難で、支持率も高かった。総選挙にも勝ったし、参議院選挙の大勝は安倍暗殺に少し上乗せされたにせよ見事な結果だった。
ところが、その後は、散々だといったことを論じ、広島県政界における宮沢・岸田ファミリーの状況、世襲政治家のどこがダメなのかといった話を展開し、最後に、それなら岸田氏はどうするべきか、次期首相は誰がいいかなどを論じています。