現行型のXSR900を初めて見たのは、2022年の大阪モーターショーのヤマハブース。当時は新型コロナウイルスによるパンデミック。誰もが “やきもき “していた時代に「新型XSR900」を直接見れるというのは、自分にとってはこの上ないエンターテイメントでした。

ライダーの琴線に触れた3つの特徴

 現行型のXSR900については、2021年11月に海外発表にて「爆誕した」というのが個人的なイメージ。 第一印象は、エキセントリックな見た目という印象が強く購入する意思は一切ありませんでした。そして仕様や諸元、製造工程が明らかになるにつれて、とあるコンテンツが私の中にある「ライダーの琴線」に触れ所有欲が湧き上がってきたのです。

最新技術てんこ盛り

1.鍛造鋳造ホイール

 「そこ?」と言われるかもしれませんが、私は「日本の技術」「ものづくり大国」というキーワードが大好物。中でも鍛造による高い剛性軽量化、そして鋳造によりコストを抑えたホイールを作り上げた開発技術には言葉が出ません。この肉薄で高剛性のホイールは、MTシリーズの軽いハンドリングや運動性能の高さに大きく寄与しているのではないでしょうか。

2.厚さ2mm以下のフレーム

 技術的専門知識について無知な私が語るのもおこがましいのですが、本来であれば「薄い」「細い」といった言葉は「フレーム」を説明する上で弱々しい印象を受けてしまいます。しかしながら、タンク下のメインフレームに空いた穴に指を突っ込んでみると、とにかく薄く作られているのがわかります。XSR900は車重が193㎏となっており、大型ネイキッドバイクとしては驚異的な軽さ。この軽量化が実際の走りに現れているという事は言うまでもありません。

3.電子制御による安全性の高さ

 人間である以上、運転操作にエラーが出てしまいます。公道を走る上でライダーが恐怖を感じるのがタイヤのグリップが失われたとき、または失われるような操作をしてしまったとき。XSRに限らず、ABSやTRC(トラクションコントロール)等の安全装置は、ヒューマンエラーを極限でカバーし交通事故に遭う確率を必ず低下させます。プライベートでバイクに乗る場合、趣味やレジャーの域を越えることはほとんどありません。不測の事態に備えて「必ず発動する御守」を持つという安心感は、大きな魅力です。