日産GT-R NISMO(ニスモ)の24年モデルは、2023年3月にGT-Rの24年モデルと同時に発表されました。
空力性能の磨きこみとサスペンションのチューニング、フロントメカニカルLSDの追加などでコーナリング性能を向上させるなど、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮するマシンへと進化したGT-R NISMO 24年モデル。
その上位グレードにあたるGT-R NISMO スペシャルエディションに試乗しました。
目次
エアロパーツの形状変更で空力性能を向上
緻密なチューニングでハイパフォーマンスと乗りやすさ両立
エアロパーツの形状変更で空力性能を向上

フロントおよびリアバンパー、リアウイング形状の変更により、全長4,710mm×全幅1,895mm×全高1,370mmとなった日産 GT-R 24年モデル。
それに対しGT-R NISMOは、目指すパフォーマンスを実現するために、フロント&リアのバンパー形状の最適化を行うともに、新形状のリアウイングを採用。
ボディサイズは全長4,700mm×全幅1,895mm×全高1,370mmで、全長は標準モデルより10mm短く、GT-R NISMO 22年モデルより10mm長いというスペックとなりました。
車両重量は1,720kg、最小回転半径5.7m。乗車定員4名(2+2)は変更なしです。
この結果、GT-R NISUMOは、トータルダウンフォースを向上するとともに、ダウンフォース向上にともなう空気抵抗の増加を抑制。ライントレース性を向上させています。
またフロント&リアバンパー、サイドスカート、エンジンフード、フロントフェンダー、ルーフ、トランクリッドに使われるカーボン製パーツはボディの軽量化にも貢献。
GT-R NISMO スペシャルエディションでは、エンジンフードをクリア塗装として全体のクオリティを高めています。



新形状となったフロントグリルは、開口部の縮小を可能とした新グリル&メッシュ形状などにより、冷却性能を維持しながら、微細な気流の乱れを逃さず整流し発生する揚力を抑制しています。
またNISMO専用拡幅カーボン製フロントフェンダー(上部&後部アウトレットダクト付)は、フェンダー上部のアウトレットダクトにより、エンジンルームの熱気を排出して冷却性能を向上。
くわえてボディ表面の流速を下げることで、フロントのダウンフォースを増加させています。



いっぽうリアエンドは、最新のレース技術を適用した新形状のNISMO専用カーボン製リヤウイングを採用しました。
ウイングのデザインとスワンネック型のステイによって、リアのダウンフォースを向上。新採用のトランクリッドスポイラーとリアバンパーサイド形状の最適化は、ダウンフォースの向上によって増加する空気抵抗を抑制しています。

圧倒的エンジンパワーとトルク、強化されたサスペンションシステム、そしてエアロチューニングによって増大したダウンフォースに対応するため、ボディにも高度なチューニングが施されています。
特に接合に構造用接着剤を使用して剛性を高めるボンディングボディは、製造工程で手を加えることができるメーカーだからこそできるチューニングです。
緻密なチューニングでハイパフォーマンスと乗りやすさ両立

3.8LV型6気筒ツインターボエンジン(VR38DETT型)は、NISMO専用にチューニングが施されます。
NISMO専用GT3タービン(IHI製高効率・大容量ターボ)とFUJITSUBO製チタン合金製マフラーを装着。
くわえて点火時期をコントロールする気筒別点火時期制御や、最適な燃料噴射を行うインジェクター駆動回路の採用によって、最高出力441kW(600ps)/6,800rpm、最大トルク652Nm/3,600-5,600rpmというハイパフォーマンスを発揮します。

エンジンカバーの「NISMO」エンブレムは専用エンジンの証です。