グループディスカッションの流れ

グループディスカッションの流れは大きく6つに分けられます。役割決め・タイムスケジュールの設定・意見の出し合い・内容の整理・結論決定と発表の準備・発表が大まかな流れです。

グループディスカッションには、30〜40分という制限時間が設けられています。時間内で効率的に議論しなければならないため、最初の役割決めやタイムスケジュールの設定は6つのステップの中でも重要なポイントです。

役割には得意・不得意があるかと思いますが、スムーズな議論を実現するためにはどんな役割もこなせるように対策や準備をしておきましょう。

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グループディスカッションの6つのテーマ種類別の特徴

グループディスカッションには、6つの議論スタイルがあります。当日、どの形式が用いられても対応できるように、ディスカッションタイプごとの特徴や出題可能性があるテーマ、面接官が重視するポイントは押さえておきましょう。

1.課題解決型

「課題解決型」は、与えられた課題の解決策を議論するタイプのグループディスカッションです。

<課題解決型のテーマ例>


  • 新規事業の売り上げを2倍にするには?

  • 労働人口が減少する日本で優秀な人材を確保するには?

  • 女性の役員率を向上するには?

  • 新商品の認知獲得のために最適な施策とは?

課題解決型では、業界や企業の研究成果が問われます。実現可能性は重要ではなく、根拠や具体的な数値に基づいた納得感のあるアイデアが出せるかどうかが重視されます

2.ディベート型

「ディベート型」は、与えられたテーマに対して2つの派閥に分かれて議論するタイプのグループディスカッションです。

<ディベート型のテーマ例>


  • 定年の年齢は引き上げるべきか?

  • 仕事で大切なのはお金か、やりがいか

  • 消費税は減税するべきか?

  • 日本にも安楽死制度を導入するべきか?

ディベートのお題は、ライトなものから簡単に結論を出すのが難しいものまで幅広く出題されます。ディベート型で重視されているのは議論に勝つことではなく、相手の意見に耳を傾けながらグループ全体の意見としてまとめる力があるかどうかです。

3.自由討論型

「自由討論型」は、選択肢や答えのない抽象的なテーマが与えられ、それについて自由に意見を出し合いながら議論するタイプのグループディスカッションです。

<自由討論型のテーマ例>


  • 成功する人の特徴とは?

  • オフィスを移転するとしたらどこが良いか?

  • 1億円をもらったらどうするか?

  • 働く意味とは何か?

自由討論型は各々が自由に意見を出し合うため、話が脱線しやすくなります。軌道修正力や議論を進める力、言語化能力などがあるかどうかが重視されます。

4.選択肢型

「選択肢型」は、テーマに対していくつかの選択肢が与えられ、その中から答えを決めたり優先順位をつけたりするために議論を行うタイプのグループディスカッションです。

<選択肢型のテーマ例>


  • 無人島に何を持っていくか?

  • 仕事、恋愛、友情、家族に優先順位をつけてください

  • 自身が面接官だとしたら5人の学生の中で誰を採用するか?

2つ以上の選択肢から、自身の考えに合うものを選択するのが特徴です。選択肢型では、グループ内での意見が分かれた際に多数決ではなく議論を行い、メンバー全員が納得できる結論を導き出せるかが重視されます。

5.フェルミ推定型

「フェルミ推定型」は、与えられたテーマに対して持っている情報や知識、データを用いて推論を立てて、論理的に計算を行い、数量という形で結論を出すタイプのグループディスカッションです。

<フェルミ推定型のテーマ例>


  • 都内にあるスターバックスの1日の売り上げは?

  • 都内で家庭用自動車を保有している世帯の数は?

  • 日本で飼われている猫は何匹いる?

  • 日本の大学生は何人いる?

フェルミ推定型のグループディスカッションで見られているのは、正確な数値を出せるかどうかではありません。正しい答えを出すことが難しい問題に対する基礎知識の有無や、仮説を立てる能力、計算能力などが重視されます。

6.実物作成・企画立案型

「実物作成・企画立案型」は、成果物を作成することを目的とするタイプのグループディスカッションです。

<実物作成・企画立案型のテーマ例>


  • 1組のトランプを使ってできるだけ高いタワーを作ってください

  • 積み木を組み立てて指定の形を作ってください

  • 新商品の認知を高めるためのPR施策を考えてください

  • 地方創生イベントの企画書を作成してください

実物作成では、イメージする制作物に近づいているかをPDCAを用いて確認・修正する能力の有無が評価されます。一方、企画立案型では、企業のポジションを考慮してビジネス的な観点から抜け漏れのない企画を作成できているかどうかが重視されます。