実際にダイソーのUSB-Cケーブルで充電してみた結果は?
それでは実際にiPhone 15 ProをダイソーのUSB-Cケーブルで充電してみますが、その前にiPhone 15 Proに付属していたApple純正USB-Cケーブル「60W USB-C充電ケーブル(1m)(価格:2,780円)」の性能を、「USB CABLE CHECKER 2」でチェックしておきます。
その結果、Apple純正USB-CケーブルはUSB-PD対応で充電は最大60W、テータ転送速度はUSB 2.0相当で最大480Mbpsであることが分かりました。
iPhone 15 ProのUSB-Cの転送速度は最大10Gbpsの「USB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)」なのに、どうしてこのような低い性能のUSB-Cケーブルが付属しているのかは分かりませんが、これでは本来の性能が発揮できないのは明らかです。
「CC」=USB-PDは対応していますが、転送速度はUSB 2.0相当で最大480Mbps。USB 3.2規格を表す「TX2/RX2」=10Gbp転送のランプは点灯しておらず、非対応であることが確認できました(筆者撮影)
それでは最初に、Apple純正USB-CケーブルでiPhone 15 Proを充電してみます。ACアダプタは、Apple純正の「30W USB-C電源アダプタ(価格:4,800円)」を使用しています。
その結果は、5.09V/1.51A=7.67Wというものでした。まあ、USB 2.0準拠のケーブルとしては平凡な数値ですが、これを基準にダイソーのUSB-Cケーブルの性能を比較したいと思います。
Apple純正USB-Cケーブルの充電速度

次に、ダイソーで110円の「充電 転送ケーブル(Type-C-Type-C、1m、3A、アルミプラグ)」で実験してみます。こちらはUSB Type-C/Aですが、結果は5.02V/1.29A=6.48Wでした。やはりType-AでUSB-PDに非対応なので、Apple純正USB-Cケーブルより1Wほど少ない結果となりました。
ダイソーで110円のUSB Type-C/Aケーブルの充電速度

今度は、ダイソーで110円の「充電 転送ケーブル(Type-C-Type-C、1m、3A、アルミプラグ)」で実験してみましょう。
こちらはUSB Type-C/Cのケーブルですが、結果は5.01V/1.52A=7.62Wというもので、Apple純正USB-Cケーブルとほぼ同等の速度で充電できていました。
ダイソーで110円USB Type-C/Cケーブルの充電速度

最後に、330円の100W対応「充電・転送ケーブル(USB POWER DELIVERY、100W対応、Type-C)」で充電してみましたが、結果は5.02V/1.51A=7.59Wというものでした。これはほとんど誤差の範囲であり、Apple純正USB-Cと同等の性能であることが確認できました。
ダイソーで330円のUSB Type-C/Cケーブルの充電速度

なお、今回はメーカー不明の「Thunderbolt 3」準拠のUSB-Cケーブルでもテストしてみました。こちらはUSB CABLE CHECKER 2でフルマークを記録し、USB 3.2に対応した高性能なものです。

実際にThunderbolt 3ケーブルでiPhone 15 Proを充電してみると、5.02V/1.81A=9.07Wで急速充電することができました。これはApple純正USB-Cケーブルよりも1.4Wほど高い数値です。

いかがでしょうか? Apple純正USB-CケーブルとダイソーのUSB-Cケーブルは最大25倍もの価格がありますが、実際に充電してみると、ほとんど充電性能は変わらないことがお分かりいただけたと思います。
ただし、ダイソーのUSB Type-C/Aケーブルは、やはり1Wほど落ちましたし、Thunderbolt 3ケーブルは1.4Wほど上回っていることも確認できました。
もし、予算に余裕があるならThunderbolt対応ケーブルを買っておけば、充電速度はApple純正USB-Cケーブルよりも速くなるでしょう。
メーカー | 品名 | 価格 | V/A | W数 |
---|---|---|---|---|
Apple | 純正USB-Cケーブル | 2,780円 | 5.09V/1.51A | 7.67W |
ダイソー | USB Type-C/Aケーブル | 110円 | 5.02V/1.29A | 6.48W |
ダイソー | USB Type-C/Cケーブル | 110円 | 5.01V/1.52A | 7.62W |
ダイソー | 100W対応USB Type-Cケーブル | 330円 | 5.02V/1.51A | 7.59W |
不明 | Thunderbolt 3準拠ケーブル | 不明 | 5.02V/1.81A | 9.07W |
今回の実験から、ダイソーのUSB-CケーブルはApple純正USB-Cケーブルと同等の充電性能を備えていることが分かりました。予備として買うならダイソーのUSB-Cケーブルで十分ですね!(図は今回の実験結果を基に筆者が作成)
転送速度はどのくらい違うのか確認してみよう!
ここまでは、USB-Cケーブルの充電性能を比較してみましたが、データ転送速度についても確認してみましょう。
こちらは、iPhone 15 Proで撮影した4K動画(1.1GB)のファイルを、Thunderbolt 対応MacBookのイメージキャプチャアプリを使ってコピーする時間を計測してみます。
まず、Apple純正USB-CケーブルでiPhone 15 Proを接続してテストした結果、30.83秒ほどかかりました。
続いて、ダイソーのUSB Type-C/Cケーブルでも実験しましたが、速度はほとんど同じです。いずれも最大480MbpsのUSB 2.0準拠ですので、転送速度に変わりがないのは当然のことでしょう。
Apple純正USB-Cケーブルの転送速度


次に、Thunderbolt 3で同じ動画を転送してみます。こちらは10Gbps対応なので、たった4.68秒しかかかりませんでした。
これはApple純正USB-CケーブルやダイソーのUSB-Cケーブルの実に6.5倍という速さです。
Thunderbolt 3準拠ケーブルの転送速度

この結果から、やはりiPhone 15 Pro/15 Pro Maxで4K動画や写真を撮りまくって、Thunderbolt対応パソコンにコピーするのであれば、Thunderbolt準拠のケーブルを使ったほうが圧倒的に速いことが確認できました。
もちろん、ノーマルのiPhone 15/15PlusはUSB 2.0規格ですので、Apple純正USB-CケーブルでもダイソーのUSB-Cケーブルでも十分な性能があり、どれを選んでも転送速度は変わらないはずです。