グループディスカッションの役割の種類
グループディスカッションを行う際、最初に決めるのが役割です。議論を円滑に進行するためには、割り振られた役割に求められていることを理解することが大切。7つの役割と仕事内容、特徴をご紹介します。
ファシリテーター
「ファシリテーター」は、議論の内容をまとめたり、メンバー全員が意見を出せるように話を振ったりする司会進行の役割があります。グループ内の中心的な存在のため目立ちやすいのが特徴です。
タイムキーパー
「タイムキーパー」は、制限時間内に結論を出せるように時間をコントロールする役割を担っています。課題の確認から議論、内容をまとめて結論を出す時間と配分を行うのもタイムキーパーの仕事。時間を管理しながら自身も議論に参加する必要がある点を留意して置きましょう。
書記
「書記」は、メンバーが出した意見や議論の流れを書き留める役割があります。書記のメモは発表時に活用されるため、グループにとって重要なポジションです。タイムキーパー同様、議論に参加しながら書記の仕事もしなければならないため、やや難易度が高い役割とされています。
アイデアマン
「アイデアマン」は、名称の通りさまざまなアイデアを出す役割を担っています。議論を活性化させる目的で設置されており、積極的に発言することが求められます。アイデアの質よりも量やテーマとの関連性が重視されるポジションです。
監視役
「監視役」は、ディスカッションの流れが与えられたテーマや課題からズレていないかどうかを監視する役割です。タイムキーパーと兼任することが多くあります。論点がズレそうになったらさりげなく指摘を行い、軌道修正します。
発表者
「発表者」は、グループディスカッションで出した結論を発表する役割です。大勢の前で発表するため、プレゼン慣れしている学生や物怖じしない性格の学生が担当することの多いポジションです。
役割なし
グループディスカッションの人数が多ければ、役割がないケースもあります。その場合は、積極的に意見を出し、議論を進めることを意識しましょう。臨機応変な姿勢が求められ、時には役割がある学生のサポートも行います。
【役割の種類別】評価されるポイントと注意点
グループディスカッションには複数の役割があります。役割による有利・不利などの差はありませんが、評価されるポイントは異なります。各ポジションの意識したい点と注意点をご紹介します。
ファシリテーター
グループのリーダーとして円滑な議論の進行を行うのがファシリテーターです。発言量が自然と多くなるポジションですが、どんな振る舞いが評価されるポイントなのでしょうか。
■評価ポイント
- 論理的思考力
- リーダーシップ
- 意見をまとめる能力
- 意見を引き出す能力
- 周囲への配慮
- グループの雰囲気づくり
- 傾聴力
- 臨機応変な対応力
ファシリテーターは目立つポジションである分、評価ポイントが多いのが特徴です。同じグループの学生が意見を出しやすいように雰囲気を作ったり、控えめな学生がいれば話を振るなど、周囲に気を配りながら意見をまとめるリーダーシップが必要です。
■注意点
ファシリテーターの注意点は、自己主張をしすぎないことです。あくまでも司会進行役であり、メンバーの意見を引き出したり、意見をまとめたりする役割であることを十分に理解しましょう。
自身の意見を強引に押し通そうとするとグループの雰囲気が悪くなり、議論が停滞します。良い議論を行うには、全員の協力が必要です。自分1人が目立てば良いというものではありません。
タイムキーパー
グループディスカッションにおいて時間管理を行うタイムキーパー。時間管理だけすれば良いかと思いきや、他にも評価ポイントがいくつかあります。
■評価ポイント
- 時間管理能力
- 時間調整スキル
- 段取りを行う能力
- 他のメンバーへのサポートができているか
タイムキーパーは主に時間管理力が評価ポイントです。議論に参加しながら時間配分を行い、適宜残り時間を伝えます。発表準備の時間を確保しなければならないため、時間調整や臨機応変な対応も必要なポジションです。
■注意点
時間管理に気を取られてしまい、議論へ参加できないことにならないようにするのが注意点。逆に、議論を中断してしまうことを恐れて、必要なタイミングで残りの時間配分をメンバーに伝えられないこともないようにしましょう。
書記
議論の内容やメンバーの意見をメモするのが書記の役割です。発言しつつ書記も行うため他の役割に比べて作業は多いですが、その分グループへの貢献度が高いのが特徴です。書記の評価ポイントは、書記業務と発言量の主に2つです。
■評価ポイント
- 要点をまとめる能力
- メモを取るスキル
- 聞き取り力
- 文章化する能力
- タイピングスキル
書記が書き留めたメモは発表前の準備に使われます。今までに出た意見や議論の方向性を確認するため、要点がわかりやすくまとめられているかどうかが評価ポイントになります。
■注意点
書記はメモを取る作業が発生するため、発言量が少なくなる傾向があります。メモを取りつつ、自分の意見も出せるように注意してください。
アイデアマン
グループの良い雰囲気づくりが主な役割のアイデアマン。発言量の多さが評価される役割ですが、他にも評価されるポイントがいくつかあります。
■評価ポイント
- 多角的な視点での発言
- 意見しやすい雰囲気づくり
- 発言量
- グループへの貢献度
グループディスカッションのメンバーはお互いに初対面です。最初は意見が出しにくいため、アイデアマンが積極的に発言し場の雰囲気をあたためます。グループの空気を良くすることが求められるため、発言の質ではなく量や貢献度が評価されます。
■注意点
議論に刺激を与える発言は評価されますが、テーマからズレた発言が多いとメンバーを混乱させてしまうので注意。自身の発言によって議論が活性化されているかを注意深く観察しながら、多角的な視点でさまざまなアイデアを出していきましょう。
監視役
議論が白熱して論点がズレた際、軌道修正を行う監視役。冷静な判断力と傾聴力がある人物に割り当てられます。役割の特性上、評価ポイントは少なく、注意点が多いのが特徴です。
■評価ポイント
- 軌道修正力
- 傾聴力
- 冷静な判断力
監視役の評価ポイントは、議論の進行のコントロールができているかどうかです。論点がズレていることを指摘し、軌道修正ができているかどうかも面接官に見られています。
■注意点
指摘内容や表現方法が攻撃的にならないよう注意が必要。議論のコントロールは大切ですが、メンバーが意欲をなくすような発言は悪い印象を与えてしまいます。正論であっても言い方や態度には十分注意してください。
発表者
グループ内で出した結論を発表するのが発表者の役割。積極性があり、人前での発言に慣れているプレゼンスキルの高い学生に担当が割り振られます。ファシリテーター同様、注目を集めやすいポジションのため、評価ポイントも多い傾向があります。
■評価ポイント
- 積極性
- プレゼンスキル
- トークスキル
- 説明能力
グループの結論をわかりやすく説明することはもちろんのこと、自分の言葉で伝えることが主な評価ポイント。書記がまとめた原稿をそのまま読むのではなく、他のグループの学生や面接官の反応を見ながら噛み砕いて説明できているかどうかが評価されます。
■注意点
発表中の声の大きさや話すスピードは要注意ポイント。また、発表者の役割は発表だけではありません。議論に積極的に参加する姿勢ももちろん面接官に見られています。
役割なし
役割なしであっても評価されるポイントはたくさんあります。役割の有無で選考に有利・不利はなく、いかにグループに貢献できたかが重要です。
■評価ポイント
- 積極性
- グループへの貢献度
- 協調性
- 役割がある学生のサポートの有無
- 発言量
役割なしの場合、議論への積極性が主な評価ポイントとなります。役割があるメンバーをサポートするのも好印象。タイムキーパーに残り時間を聞いたり、意見していないメンバーに話を振ったりできるとなお高く評価されます。
■注意点
役割に対して執着しすぎないことを意識してみてください。役割なしとは、言い換えればどんな役割もこなせるということです。得意なポジションを取られた、他のメンバーのサポートはしたくないと意固地になることは避けましょう。