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フロント周辺の空力を見直した17年モデル
性能も価格も跳ね上がった20年モデル

フロント周辺の空力を見直した17年モデル

2000万円オーバーの国産車。GT-R NISMOの進化と歴史
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

2016年8月25日、『日産 GT-R NISMO』としては2代目となる17年モデルが発表されました。

14年モデルから変わったのはおもにフロントまわりのデザインとインテリアです。

新デザインのフロントバンパーは、開口部が拡大されたグリルによってエンジンの冷却性能を向上させながら、カナード形状のデザインがもたらす空気の流れによりおおきなダウンフォースを発生させると同時に、ホイールハウス周辺の空気を吸引することで空力性能を向上させています。

この専用フロントバンパーは、カーボンファイバーシートを幾層にも重ねて精巧に造り上げることで、理想的な強度を実現しています。

標準モデルのボディ剛性が大幅に向上されたことで17年モデルの『NISSAN GT-R NISMO』もボディ剛性を向上。

それにともないショックアブソーバー、スプリング、スタビライザーそれぞれの突き詰めたセットアップが可能となり、コーナリング性能やスラロームタイムにおいて先代よりも向上しています。

インテリアは、標準モデルに沿った進化となります。

センターコンソールにセットされるディスプレイモニターは、7インチから8インチへと拡大。あわせて大型のアイコンを採用することで、視認性を向上させました。

またカーボン製のセンターコンソール上に配置したマルチファンクションスイッチにより、ナビの機能を手元で操作することが可能となっています。

パドルシフトはステアリングホイール固定タイプに変更され、ドライバーが手を離すことなく、シフトチェンジできるようになりました。

NISMO専用装備としては、新デザインのダッシュボード上層部、ステアリングホイール、センターアームレストにアルカンターラレザーを採用。カーボンバケットシートは、黒のレザーを基調に赤のアルカンターラを中央部分に配しました。

車両本体価格は1870万200円でした。

17年モデルをキャリーオーバーした18年モデルの車両本体価格は変わらず。ナビオーディオがアップルカープレイ(Apple CarPlay)に対応しました。

性能も価格も跳ね上がった20年モデル

2000万円オーバーの国産車。GT-R NISMOの進化と歴史
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

日産 GT-R NISMOの20年モデルは、2019年4月に発表され同年10月よりデリバリーが開始されました。

ボディは重心点から遠いルーフ、エンジンフード、フロントフェンダー、バンパー、トランクリッドにカーボン素材を使用し、車両を軽量化することでコーナリング性能に磨きを掛けました。

特にルーフはカーボン素材のあいだに低比重の材質を挟み込むサンドウィッチ構造として軽量化。

フロントフェンダーのエアダクトは、エンジンルームからの熱を逃がすだけでなく、エンジンルーム内の内圧低下、さらにエアダクトの排出風によってフェンダー外表面のリフトを減少させることにより、フロントタイヤのダウンフォースを増やす効果ももたらします。

2000万円オーバーの国産車。GT-R NISMOの進化と歴史
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

インテリアでは、新開発のレカロシートを採用。カーボンシェルにコアフレーム構造を追加することで軽量化をしながら剛性を高めているのが特徴です。

エンジンには、2018年のGT3レーシングカーから使用されている新型のターボチャージャーを採用し、出力を落とすことなくレスポンスを約20%向上させています。

これによってコーナーの立ち上がり時などアクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速が高まっています。

2000万円オーバーの国産車。GT-R NISMOの進化と歴史
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

当時、世界最大級のサイズを誇ったカーボンセラミックブレーキは、ローターの大径化に合わせて、ピストン配列を最適化した専用の高剛性キャリパーと新しい摩擦材のブレーキパッドを開発し、高負荷状況だけでなく、日常的な仕様においても圧倒的な制動力と優れたコントロール性を両立しました。

アルミホイールには9本スポークの軽量かつ高剛性な鍛造アルミホイールを採用。タイヤも、新開発のハイグリップゴムを採用したハイグリップタイヤになります。

ボディ全体で約30kgもの減量をはたした20年モデルの車両本体価格は2420万円と、おおきくアップしました。