ルイス・バウディ

 ニューヨークの裕福な実業家であったルイス・バウディに愛されて見つめられた妻たちは不可解な死を遂げていた。

 バウディは1903年にバーサ・セイヤーと結婚し幸せな新婚生活を送っていたのだが、1904年2月18日に頭部に銃撃を受けて死亡しているパーサが発見された。彼女の遺書が残されており、そこには「耐えられなくなった何か」のために自殺する旨が記されていた。

 ひどく落胆したバウディだったが、数年後ローズという名前の女性と再婚した。今度は幸せな生活が続くに見えた1908年12月10日、隣人は夫婦のアパートから出る強いガスの臭いに気づき、部屋に押し入ってみるとガスが充満した部屋で夫妻が倒れていたのだった。

 夫妻はすぐに病院に運ばれたが、バウディは息を吹き返したものの不幸にもローズは助からなかった。その後にこの一件はローズが企てた心中事件とみなされた。

 さらに1910年、バウディはルイはレオーネ・ヴァイオレット・コネリーという23歳の未亡人と結婚した。

 共に暮らし始めてほどなくしたある日、レオーネが不可解な鉄道自殺を試みて周囲に止められる事件が起こった。警察の聴取に対し彼女は夫の前にいる時に突然、理由もなく自殺したいという圧倒的な衝動に襲われたと語ったのだった。

 レオーネはその後すぐに、奇妙な自殺願望が再発することを恐れてバウディのもとを去った。

 結婚した相手を自殺させる呪いがかかっていると確信したバウディは偽名でニューヨーク州ママロネックのホテルにチェックインし、頭を撃って自殺したのだった。

 これらの女性たちはバウディと出会って恋に落ちるまでは、誰一人自殺未遂をしたこともなければ自殺願望があったこともなく、当初は全員がバウディと幸せな関係を築いていたのである。

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「Mysterious Universe」の記事より(画像=『TOCANA』より 引用)