変額保険のデメリット
ここまでの内容も踏まえて、改めて変額保険のデメリットをまとめてみましょう。なお「外貨建て」に特化して知りたい方には、こちらの記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
保険金額が払込保険料を下回る場合がある | 積立投資として利回りが悪い
前述の通り、運用実績が「年利0%」だった場合、保証にあてた分の金額が差し引かれるため解約払い戻し金額は目減りします。一方、純粋な投資信託なら年利0%の場合、払い込み金額は増えも減りもしません。つまり、投資信託としては利回りが悪いということです。
運用益に対して税金が発生する
運用益に対して税金が発生する点にも注意が必要です。原則として、外貨建保険や変額年金の保険を解約した場合、解約返戻金が払込み金額より多いと所得税や住民税がかかります。また契約者以外が受け取る場合は、贈与税の対象となります。
具体的には、以下のタイミングで運用益に対して次のような税金が発生します。
・運用期間中:課税されません。運用資産が増加しても、解約や満期、年金開始時期まで課税が先送りされます。
・解約時:解約返戻金から払込保険料を差し引いた額(一時所得)に対して所得税がかかります。
・満期時:満期金から払込保険料を差し引いた額(一時所得)に対して所得税がかかります。
・年金開始時:一定期間ごとに受け取る年金の場合は雑所得に分類され、その年に受け取った分の金額に対して所得税が発生します。前述した通り、契約者以外が受け取る場合は贈与税も発生します。
変額保険の運用益に対する税金は、受け取り方やタイミングによって課税方法が異なるため、加入時に運用益の最適な受け取り方についても検討しておきましょう。
変額保険がおすすめの理由とは?
先行して「デメリット」を紹介しましたが、もちろん変額保険にはいろいろとおすすめできる点も多いです。
たとえば、変額保険にはまず「インフレリスクに強い」というメリットがあります。筆者が話を聞いた別の大手保険会社の変額保険の営業担当者・Bさん(20代)は以下のように語ってくれました。
「最近は多くの方が食料品や電気代の大幅値上げに困っていると思います。物価が上がり続ける現象はすなわち”インフレ”です。円の価値について考える際は、多くの方がドル円相場などを気にすると思うのですが、たとえば今まで100円で買っていたパンが150円になったというのもモノに対する円の価値の下落を意味するんです。こうしたインフレに突入すると、いわゆる普通の保険商品は大きく魅力が霞んでしまいます。契約時に100万円の保険金のお支払いをお約束していても、実際にお支払いするタイミングでの100万円の価値は契約当時より大きく下がっているかもしれません」(Bさん:写真はイメージです)
「変額保険は株式や債券での積極的な運用で積極的に資金を増やしていく保険です。そのため、払込金額より多くの保険金を受け取れる可能性があり、インフレに強い保険だと言えます。 もしも外貨建てが不安な場合も、円建ての変額保険も存在します。ぜひ変額保険を扱う保険会社にまずは相談してみることをおすすめします」(Bさん)