早口が悪いとは限らない?!

ーーでは、悪い話し方についても教えてください。私は早口なタイプで、ゆっくり話すことを心がけても、なかなか難しいんです。

松下:私も、早口です。早口を気にする方は、相手の呼吸にあわせるといいですよ。でも会話のスピードやテンポが速いことが、悪いとは限りません。

お相手がゆっくりと話すタイプの方だったら、わーっと喋ると圧を感じてしまいますよね。その場合は悪い話し方となってしまいます。バランスなんです。

その方とより良い時間を過ごす、良いコミュニケーションをとるために会話するのですから、トーンを合わせると良いですね。それには、お相手の言葉の「文末」を聴くことも大事です。

ーー句点(。)を感じとってから話す、そんなイメージですか?

松下:そうです。自分の想いを丁寧に伝えられるように、相手のスピード感に合わせてお話することと、相手の話をさらによく聴いて会話していくことで良くなると思いますよ。

聴くことは、とても大事なんです。お相手の言葉を「しっかりと聴ききる」。たとえば、面接官が質問を投げ掛けたときに、しっかり聴けなかったために質問されたこととちょっと違うことを答えてしまって、面接官に違和感を与えてしまうことも、よくあるんですよ。

(後編・了)



前編に続き、ポジティブかつストレートに「自分の良さ」を見つけることを提案してくださる松下さん。実際に、話し方などの悩みを相談したとき、どのように導いてくれるのでしょうか。

「話し方」に悩む編集部員が、特別に松下さんに相談する機会をいただき、その一部始終を特別編として9月22日(金)18時に公開します。

松下公子さんプロフィール

松下公子 (まつした・きみこ)

STORYアナウンススクール代表/株式会社STORY 代表取締役

1973年茨城県鹿嶋市生まれ。

アナウンサーを目指したのは、大学3年時に彼氏に振られたことがきっかけ。みんなに愛される女子アナになって見返したいと思った。しかし、第一印象が怖い、近づきづらいという見た目コンプレックス、さらに、コネなし、2流女子大出身、茨城なまりと4重苦に苦しむ。パッと見の印象ではなく、自分のことをわかって欲しいという思いから、アナウンサー受験では自分の経験と思いを熱く語る。その結果、25歳フリーターでアナウンサーに内定。テレビラジオ4局のステップアップを果たす。

その後、共感で選ばれるプレゼン手法「共感ストーリー」としてメソッド化。代表であるSTORYアナウンススクールでは、認定講師とともに個別指導で共感ストーリーメソッドを使った志望動機、自己PRを一緒に作成。面接における伝え方の指導も行い、NHKキャスターや地方民放局アナウンサーの内定に導いている。現在は一般企業の転職など選ばれる人になるサポートや講演活動を行っている。

著書に『「たった1人」に選ばれる話し方』『転職は話し方が9割』(ともにstandards)がある。

共感ストーリーは株式会社STORYの登録商標です。