ソウダガツオはどんな魚?

さて、今回の持ち帰りはマルソウダ8匹。人気ターゲットの青物の中ではかなり冷遇されている。実際、「なんだよ、ソウダかよ。」なんて声も良く聞こえる。ここでソウダガツオはどんな生き物なのかを改めて解説したい。

スズキ目サバ科ソウダガツオ属に分類される魚で全世界の温帯から熱帯まで広く生息しており大きさは最大で60cm程。大群で表層を泳ぐ肉食魚だ。他のサバ科の多くの魚と同じようにラム換水で呼吸をしている。ラム換水とは泳いでないと呼吸ができないマグロとかと同じ呼吸法のこと。

また、このサバ科は広く繁栄しておりタイプもさまざま。そのため科と属の間に「族」という分類があり、族ではマグロ族に分類されている。マグロ族にはソウダガツオ属の他に、マグロ属、カツオ属など馴染みのある魚が同じグループだ。

ソウダガツオは不味い?

マグロ族はよく食卓に上がる魚、謂わばメジャーな魚が多いが釣り人からはソウダガツオは不味いとすら聞くこともしばしば。しかし普通は磯臭いとか水っぽいとか何かしらの理由で不味いと聞くけどソウダガツオに関してはただ不味い。と……。

確かに本ガツオよりも血っぽい味はあるし、鮮度が落ちるのも早い。私個人が血っぽいものが好きというのもあるが、ソウダガツオは美味しい魚だと思っている。

根拠としてはソウダガツオの加工品で有名な宗田節の存在。高知県のホームページによると宗田節は「カツオ節より旨みが強く、香りが強い」とある。生で食べてみてもまさしくその通りで刺身は旨みも香りも強いが普通に美味。味の強いソウダはミョウガやシソの香りに押し負けず夏らしい薬味との相性は抜群だ。

ウズワ飯に舌鼓

今回は私の地元に程近い伊豆半島伊東周辺ではウズワ飯というものがある(ウズワはソウダの地方名)。それを作り夕飯とした。ウズワ飯は簡単に言うとソウダのミンチをあつあつご飯に乗せた物。特徴としては薬味に青唐辛子を使うこと。これが旨い。

沼津の堤防カゴ釣りでソウダガツオが入れ食い【静岡】 「ウズワ飯」に舌鼓「ウズワ飯」を堪能(提供:TSURINEWSライター永井航)

味のしっかりしたソウダに爽やか且つピリッと辛い青唐辛子が絶妙にマッチ。クーラーガンガンの部屋で額に汗を滲ませながらご飯をかき込むのは最早至福だ。最後はソウダで取った出汁で出汁茶漬けしてフィニッシュ!ダイエット中の妻もついついおかわりしていた。

ヒスタミン中毒には注意

また、ソウダガツオといえばなまり節や竜田揚げも外せない。汎用性が高く米も酒も無くなる一品だ。ここまでソウダガツオを推してきたが、ソウダガツオはヒスタミン中毒のリスクが高い魚なのも間違いない。異変を感じたら食べるのはやめておきたい。