「楽天ゴールドカード」は、ゴールドランクのクレジットカードにしては手頃な年会費でありながらも、還元率の高さ、空港ラウンジを利用できるカードとして注目されている。年会費無料の「楽天カード」とどちらがお得なのか?このクレジットカードのメリット・デメリット、どんな人が向いているのかなど含めて徹底解説していこう。
目次
1,「楽天ゴールドカード」の5つメリットを簡単に紹介
2,「楽天ゴールドカード」のスペックと5つの特徴、審査難易度
3,メリット1 ポイント還元率の高さ
4,メリット2 空港ラウンジ無料サービス
5,メリット3 無料でANAマイルにも交換可能
6,メリット4 旅行で便利なサービスが充実
7,メリット5 最高2,000万円の旅行傷害保険が付帯
8,楽天ゴールドカードの3つのデメリット
9,「楽天カード」よりもお得なのか?どんな人におすすめ?
1,「楽天ゴールドカード」の5つメリットを簡単に紹介
「楽天カード」は年間カードショッピング取扱高が6兆円(2017年度)で、会員数は1,500万人に達している(2018年1月時点)。日本生産性本部サービス産業生産性協議会発表の「JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」のクレジットカード部門でも、10年連続第1位となっておりカード会員からの評価も高いことがうかがえる。
そんな「楽天カード」のゴールドグレードである「楽天ゴールドカード」のメリットを簡単に挙げるとすると以下の5つとなる。
メリット2,ポイントは手数料なしでANAマイルにも交換可能
メリット3,年2回まで空港ラウンジ無料利用可能、ハワイの2つのラウンジも使える
メリット4,旅行で便利な空港・海外サービスも充実
メリット5,最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯
楽天市場の利用ポイントが貯まりやすく、楽天ユーザーであれば年会費分のポイントがすぐに取り戻せるのが最大の特徴だ。また空港ラウンジ無料サービス付帯しているのが、一般の「楽天カード」と大きくことなるところだ。
2,「楽天ゴールドカード」のスペックと5つの特徴、審査難易度
これらのメリットの詳細を見ていく前に、まずは基本スペックや審査難易度などを押さえておこう。
楽天ゴールドカードの基本スペック
年会費 | 2,200円(税込) |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB |
申し込み対象 | 20歳以上 |
利用可能枠 | 最高200万円 |
獲得ポイント | 楽天ポイント |
通常還元率 | 1% |
交換可能ポイント・商品 | ・楽天グループ各サービスでの支払い ・楽天Edy ・ANAマイル など |
付帯保険 | 海外旅行最高2,000万円 |
追加カード | ・家族カード会員550円(税込) ・ETCカード(年会費無料) |
特典・サービスは、年会費1万円前後のゴールドカードと比べると、当然物足りないところもある。しかし2,200円(税込)という年会費の安さを考えると、空港ラウンジや空港手荷物宅配サービス優待などがあり、十分な内容と言える。
審査難易度――年収200万円が目安
公式サイトには申し込み条件が「20歳以上」とだけ書かれていることから、審査基準は比較的低いと思われる。ネットのクチコミ情報では年収200万円以上で、過去にクレジットカードやローンで延滞などがなければ、審査に通る可能性は高いようだ。
ただし年収条件については、年齢が上がるほど厳しくなることが多い。
また、短期間のうちに複数のクレジットカードに申し込むことを「多重申し込み」と言うが、これに該当する場合も審査落ちする可能性が高いと言われている。
次からは、「楽天ゴールドカード」の人気を支える5つのメリットを解説してこう。
3,メリット1 ポイント還元率の高さ――通常1%、楽天市場で5%の超高還元率に
「楽天ゴールドカード」の最大のメリットは、何と言ってもポイント還元率の高さだ。特に楽天市場の利用では、5%の超高還元率となる。
通常ポイント還元率も1%と高い
「楽天ゴールドカード」の利用で貯まるのは、楽天グループの共通ポイントである楽天ポイント。クレジット支払い100円につき、1ポイント(1円相当)が付与される。ポイント還元率換算で1%であり、一般的なクレジットカードのポイント還元率が0.5%ほどであることを考えると、高還元率カードと呼べる水準だ。
楽天市場の利用で5%の超高還元率に
楽天市場での支払いでは100円につき5ポイント(5円相当)が付与され、ポイント還元率が5%になる。これはクレジットカードのポイント還元率としては非常に高く、超高還元率と呼べる水準だ。なお、5%分のポイントのうち3%分は、使える期間が短い期間限定ポイントである。
街中の優待店舗などで2倍以上に
そのほか、街中の楽天ポイント加盟店ではポイント1.5倍以上(1.5%~)。楽天カード優待店舗では2倍以上(ポイント還元率2%~)となる。
4,メリット2 空港ラウンジ無料サービス――空港ラウンジは年2回まで、ハワイの街中も
このカードには、国内主要空港と海外2空港のラウンジのほか、ハワイ市街地にある2つのラウンジを利用できる特典が付帯する。
空港ラウンジサービス……国内31空港と海外2空港が対象
国内の主要31空港と海外2空港(ハワイ・ホノルル/韓国・仁川)の空港ラウンジを、年間(毎年9月1日~翌年8月31日)2回まで無料で利用できる。回数が制限されているが、年会費の安さを考えれば十分な内容だ。
空港ラウンジでは、フリードリンク、新聞・雑誌の閲覧、無料Wi-Fi、喫煙室などを利用できる。無料特典を利用しない場合は一般的に1人1,000円ほどかかるので、2回利用すれば年会費の元が取れることになる。
【楽天ゴールドカードで利用できる空港ラウンジ】
新千歳空港 | 函館空港 | 旭川空港 | 青森空港 | 秋田空港 | 仙台国際空港 |
新潟空港 | 富山空港 | 小松空港 | 成田国際空港 | 羽田空港 | 中部国際空港 |
富士山静岡空港 | 関西国際空港 | 伊丹空港 | 神戸空港 | 岡山空港 | 広島空港 |
米子空港 | 山口宇部空港 | 出雲空港 | 高松空港 | 松山空港 | 徳島空港 |
福岡空港 | 北九州空港 | 大分空港 | 長崎空港 | 熊本空港 | 鹿児島空港 |
那覇空港 | ハワイ/ダニエル・ K・イノウエ 国際空港 (旧・ホノルル 国際空港) |
韓国/ 仁川空港 |
― | ― | ― |
ハワイラウンジサービス……ハワイの街中に設置されている2つのラウンジが対象
ワイキキ中心部の「Tギャラリア ハワイ by DFS」と「アラモアナセンター」に、同伴者も無料で利用できるラウンジが用意されている。ラウンジには日本語を話せるスタッフがおり、ドリンクサービス、荷物の一時預かり、パソコン・プリンターの利用、Wi-Fi、傘貸し出しなどのサービスを利用できる。
なお、国際ブランドにJCBを選ぶと、世界の主要都市に設置されたJCBプラザ/プラザ ラウンジも利用できる。ハワイ・ホノルルではアラモアナセンターにJCBプラザが、ワイキキ・ショッピング・プラザにJCBプラザ ラウンジが設置されているので、楽天カードのラウンジと合わせて計4ヵ所のラウンジを利用できることになる。
5,メリット3 ポイントは手数料なしでANAマイルにも交換できる――2ポイント→1マイル
貯めたポイントは、楽天グループの各サービスで1ポイント→1円として支払いに充当できるほか、楽天ポイント加盟店で支払いに使える。
また、電子マネー・楽天Edyに1ポイント→1円分としてチャージできるほか、ANAのマイルにも2ポイント→1マイルのレートで交換できる。他社クレジットカードの中には、ポイントをANAマイルに交換する際に別途手数料が必要なものもあるので、それがないのはメリットといっていいだろう。
6,メリット4 旅行で便利な空港・海外サービスも充実――ハワイ優待やWi-Fi優待も
このカードでは、空港ラウンジやハワイのラウンジのほか、旅行で便利なサービスがいくつか提供されている。
優待・サービス | 内容 |
世界38拠点の現地デスクを設置 | ニューヨーク、ホノルル、 パリ、ミラノ、上海など、 世界38拠点の現地デスクで予約などができる |
Wi-Fiレンタル優待 | 海外で使えるWi-Fiレンタルが20%オフ、 各種手数料も無料 |
海外レンタカー優待 | 事前予約割引料金よりさらに10%オフ |
空港手荷物宅配優待 | 通常価格より最大300円オフで利用 |
海外お土産宅配サービス | 世界のお土産を事前購入できるサービスを 10%オフで利用できる さらにポイント10倍に |
防寒具一時預かりサービス | 1着10%オフで利用できる |
楽天カード会員向けハワイ優待 | ハワイのさまざまな店舗で利用できる 優待クーポン冊子を 楽天カードのハワイラウンジで配布 |
7,メリット5 最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯――保険は利用付帯
このカードには最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯しており、旅行代金をカードで支払った場合に適用される利用付帯だ。補償内容は、以下のとおり。
補償対象 | 補償金額 | |
傷害死亡・後遺障害 | 最高額 | 2,000万円 |
傷害治療費用 | 1事故の限度額 | 200万円 |
疾病治療費用 | 1疾病の限度額 | 200万円 |
賠償責任(免責なし) | 1事故の限度額 | 2,000万円 |
救援者費用 | 年間限度額 | 200万円 |
携行品損害 (免責金額3,000円) |
年間限度額 | 20万円 |
8,楽天ゴールドカードの3つのデメリット――期間限定ポイント、ステータス性など
特に旅行シーンで多くのメリットがあるが、デメリットもある。申し込む前に、これらもチェックしておきたい。
デメリット1,楽天市場のポイント還元5%分のうち3%分は期間限定ポイント
このカードの最大のメリットは、楽天市場でポイントが5倍(ポイント還元率5%)になることだ。しかし、そのうち3倍分(3%分)は利用期限の短い期間限定ポイントなので注意したい。
期間限定ポイントは、獲得上限が月間5,000ポイントに設定されている。そのため、楽天市場の利用が月に16万6,666円を超える場合は、超えた分に期間限定ポイントは付与されない。
期間限定ポイントは、使い道も限定される。期間限定ポイントは楽天Edyにチャージできず、ANAマイルにも交換できないので、基本的には楽天グループのサービスで使うしかない。そのため、楽天グループのサービスを頻繁に利用していない人は、有効期限内に使えず失効してしまう可能性もある。
楽天グループのサービス以外では、街中の楽天ポイント加盟店の支払い使える。コンビニやスーパーのほか、ファストフードやチェーンの飲食店など多種多様な店舗があるので、ポイントが失効する前に身近な店舗で利用するといいだろう。
デメリット2,特典・サービスの多くは楽天カードでも利用できる
実は、Wi-Fiレンタル、海外レンタカー、空港手荷物宅配などの優待やハワイラウンジなどのサービスは年会費無料の一般カードである「楽天カード」にも付帯している。海外旅行傷害保険の補償内容も「楽天カード」と同じだ。
「楽天カード」の特典・サービス・付帯保険が充実しているとも言えるが、相対的に「楽天ゴールドカード」独自の特典・サービスが少ないとも言える。
デメリット3,ゴールドカードとしてのステータス感が乏しい
年会費の安い「楽天ゴールドカード」は年収が高くない人でも比較的持ちやすいカードだが、逆に言えばゴールドカードとしてのステータス感が乏しいとも言える。
ある程度の年齢になると、クレジットカードは実質的なメリットだけでなく、ステータス性も求める人もいるだろう。楽天ゴールドカードは、その目的で所有するにはステータス感に乏しく、年会費の安さを知っている人から見れば、一般カードと変わらないものと捉えられてしまう。
9,「楽天ゴールドカード」は一般「楽天カード」よりもお得なのか?どんな人におすすめ?
デメリットのところで説明したように、楽天ゴールドカードの特典・サービスの多くは楽天カードでも提供されている。大きな違いは、選べる国際ブランド、利用可能額の上限、楽天市場でのポイント還元率、空港ラウンジサービス、ETCカードの年会費だ。
【楽天カードと楽天ゴールドカードの違い】
楽天ゴールドカード | 楽天カード | |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB | Visa/Mastercard/JCB/ アメリカン・エキスプレス |
利用可能枠の上限 | 200万円 | 100万円 |
楽天市場でのポイント還元率 | 5% | 3% |
空港ラウンジサービス | あり | なし |
ETCカードの年会費 | 無料 | 550円(税込) |
最大の違いであるポイント還元をシミュレーション
最も重要な違いは楽天市場でのポイント還元率で、楽天カードが3%、楽天ゴールドカードが5%だ。
楽天市場で年間11万円(月間平均約9,170円)を超える利用があれば、ポイント還元分からゴールドカードの年会費2,200円(税込)を差し引いたとしても、「楽天カード」より「楽天ゴールドカード」のほうが、より多くの還元を受けられることになる。
「楽天ゴールドカード」はどんな人におすすめなのか?
このポイント還元シミュレーションから、楽天市場で年間11万円を超える利用があれば、よりポイント還元を多く受けられる「楽天ゴールドカード」のほうがお得なので、こちらを選択しない手はないということになる。
また、楽天市場の利用がそこまで多くない場合でも、
- 空港ラウンジサービス対象空港を年に1~2回は利用する人
高速道路などでETCを利用する人
であれば「楽天カード」よりも「楽天ゴールドカード」のほうが、メリットが多いと言える。
楽天ゴールドカードは、他社のゴールドカードと比較するとサービス面では少々見劣りしてしまうかもしれない。しかし、安い年会費で一般カードにあたる「楽天カード」の機能を拡充させたものと考えると、非常に魅力的なカードとして評価できる。
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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