DOHC VTECを手に入れたシビックやCR-Xは無敵だった
SOHC版やリーンバーンなど環境対策エンジンとしても優秀だったVTECですが、やはり初のリッター100馬力となる160馬力に達成した「B16A」を搭載する、1989年デビュー当時の4代目シビックや2代目CR-Xなど、ライバルを一気に突き放すDOHC VTECが魅力的。
それまでも、1980年代に入って実用化したDOHC4バルブエンジン「ZC」で強かった両車ですが、最高出力130馬力程度のZCから30馬力も上がったB16Aを積めば速くて当たり前、レースでもストリートでもライバルを圧倒してみせました。
NSXもDOHC VTECで名実ともにスーパーカーへ
DOHC VTECが実用化されるタイミングで開発が進んでいた、初代NSXもその恩恵を受けた代表作で、当時のホンダが使えた最大のエンジン、レジェンド用のV6エンジンを3リッター化して搭載し、不足分はアルミボディによる軽量化や空力で補う考えでした。
そこに「せっかくDOHC VTECがあるんだし、ホンダを代表するスポーツカーに使わないのはいかがなものか?」という話が持ち上がるのは自然な流れ。
シリンダーヘッドが大きくなるため、ホイールベース延長&エンジン前傾搭載を余儀なくされたものの、当時の国内自主規制値280馬力を自然吸気エンジンで達成、性能的にも同時期のスーパーカーと遜色ないものとなりました。