空冷の魅力
惜しまれくファイナルを迎えた
CB1100RS

ホンダCB1100RS。
惜しまれく2022年10月に生産終了してしまった稀代の空冷4気筒。排ガス規制の厳しくなる中、かたくなに規制に不利な空冷にこだわり、人気を博した名車。CB1100、CB1100RS、CB1100EXと3つの1100を展開。今回はその中でもスポーティーなCB1100RSをお伝えする。
CB1100RSだけが前後17インチのホイールを履く。18インチから17インチへ、これだけでもクイックなコーナリングが期待できる。このバイクよりもクイックなハンドリングのバイクはたくさんある。ただ乗っているだけでは17インチの恩恵は受けられないかもしれない。空冷4気筒の味わい深い出力としっかりシンクロさせてこそ真価を発揮する。耳を澄ます、いや身体を澄ましてCBを感じなければならない。

大味では消してない乗り味。繊細かつ身に滲みこんでいくような乗り味なのだ。空冷の鼓動はドンドンと強いものではなく静かに浸透していくような鼓動。そしてアクセル開度によりその鼓動はリニアに身体の奥に滲みこんでいく。開けるとじわっと体内に広がりながらマシンはするすると加速していく。マシンが人と一体になって伸びていくのだ。広がり、鼓動、加速、全てがシンクロして一体となる。
コーナリングはマシンの呼吸に合わせてやるとクイックに曲がる。だから呼吸を感じ取れる者だけが味わえる至福の世界。無理やり曲げない。身体を少し移動して合図を送るだけ。そのあとはマシンに従えばいい。アクセルの開度は鼓動が教えてくれる。シンクロが深ければ深いほど曲がる。伸びやかな加速とタイヤが路面を蹴る感覚がマシンから伝わってくる。空冷だからこそ、CBだからこそ、この感覚が味わえる。
●空冷4サイクル4気筒1140cc
●最高出力90ps/7500rpm
●車重252㎏ ●シート高 785㎜
●価格:1,403,600円(税込)
新世代のCB
電子制御で乗りやすい
CB1000R

ホンダCB1000R。
CBR1000RRの流れをくむスーパースポーツのネイキッド。同時に新世代の水冷4気筒CBである。当然、電子制御はてんこ盛り。4つのライディングモードやトルクコントロール、スマホと連携のカラー液晶メーター、クイックシフターなど走りも快適性も現代のマシンである。デザインはCBの伝統を継承しつつ新しいスマートなデザインへ。
マスの集中化によりコンパクトなポジション。リッターバイクとは思えないほど軽快でクイックな走り。もちろん速い。重厚感のある安定性を持ちながらミドルクラスかと思うくらいの操舵感。走っているとリッターバイクということを忘れるくらい。パワーも十分すぎるほどハイパワー。しかし、乗りやすくアクセルのコントロールはけして難しくない。

特にコーナリングは良く曲がる。誰が乗っても綺麗に曲がっていけるのはさすがホンダ、優等生マシンだ。リッターバイクで怖いと思う必要はなく、逆にコレの方がミドルクラスよりも安心して乗れるかもしれない。エンジンブレーキの設定も自由にできるので上達に合わせて乗りやすく調整ができる。ギクシャクしたりしないで済むのだ。
スポーツモードでアクセルをガバっと開ければ、もうサーキットへ行けと言わんばかりの強烈な加速とパワー。回しても曲がりやすいのは変わらないので安心して攻めることができる。ライダーの技量は関係なく一定のレベルの走りができてしまう。そこは注意が必要。勘違いしてしまうほどうまく乗れてしまうリッターバイクなのだ。サウンドも心を躍らせてくれるのでスポーティーに走りたい人にはうってつけだ。
●水冷4サイクル4気筒998cc
●最高出力145ps/10500rpm
●車重213㎏ ●シート高 830㎜
●価格:1,670,900円(税込)Black Edition 1,716,000円(税込)