5G・6Gの活用シーンのトレンドは?

5G・6Gが高速・低遅延な通信技術であることはわかっていても、具体的にどのように活用されるのか、イメージしにくいという人もいるでしょう。

今回は、5G・6Gの用途として、自動運転・ドローン・XR・医療に着目し、その特許の出願状況から、どのような用途の技術が注目されているか、または成長しているかを探っています。

図4:5G/6Gモバイル通信技術の主要応用先別の特許出願件数の遷移(2001年~2020年)

図4は、上記4つの活用領域に関する特許出願件数の遷移を示したものです。

自動運転に関連する特許の出願件数が約2100件と最多。ドローンとXRに関連する特許の出願件数がそれぞれ約500件と約400件となっており、ともに2018年に出願が増加しました。

医療に関する特許は251件で、病院間のデータ共有や患者の状態のデータ収集などの技術に関連するものが多く出願されていたようです。

図5:2018年を「1」とした5G/6Gモバイル通信技術の主要応用先別の特許出願件数の遷移(2001年~2020年)

図5では、2018年を“1”とした特許出願件数の遷移を表示。例えば、縦軸の値が10の場合、2018年の10倍の出願が行われていることを意味し、各領域に関連する特許の成長を可視化しています。

近年では、5G・6Gをドローンや医療に応用した特許が大きく増加していることがわかります。

5G・6Gの活用領域における出願者ごとの総合力

アスタミューゼ株式会社は、5G・6Gの主要応用先である自動運転(図6)、ドローン(図7)、XR(図8)の3つの技術要素について、出願者(企業・研究機関など)ごとのトータルパテントアセットを算出しました。

図6:5G/6Gモバイル通信を自動運転へ応用する特許の出願人(企業・研究機関など)ランキング

図7:5G/6Gモバイル通信に関連する特許をドローンへ応用する特許の出願人(企業・研究機関など)ランキング

図8:5G/6Gモバイル通信をクロスリアリティへ応用する特許の出願人(企業・研究機関など)ランキング

この3領域では、トータルパテントアセットと出願件数の両方で、韓国のLG Electronics, Inc.とSamsung Electronics Co., Ltd.が首位と第2位を占めています。

自動運転とドローンというモビリティに関しては、Samsungは出願数が少ないものの、スコアでLGを上回っており、高く評価される技術に絞って出願する戦略が推察されます。

なお、医療に関しては、関連する特許数が少ないため、スコアを示していません。