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サンルーフのメリット・デメリット
日本でサンルーフ付きの車が減った理由は「ダサいから」ではない?

サンルーフのメリット・デメリット

車のサンルーフとは?純正採用車種が減った理由|後付けサンルーフの取り付け価格と方法も
(画像=©moonship/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

サンルーフのメリット

採光・換気ができる

屋根が開閉可能な窓となることで、真上からの採光・換気ができることはメリットといえます。特に車内喫煙の際は、外気導入にしてサンルーフを開ければ、適切に換気することができます。

また、サンルーフは欧州では大衆車にも広く普及していますが、これは冬季の日照時間が短く、適切な日光浴が難しいため。サンルーフにより昼間の移動時間も適切に日光を浴びることで、身体と精神の健康を保つ目的があったようです。

メーカーオプションの場合は査定額が上がることも

メーカー純正のサンルーフを装備している場合、付いていない同車に比べて買取査定額が上がる場合があります。査定時、純正サンルーフ付きは加点対象となるからです。

もともとサンルーフ装備車は車体本体価格が高額であることも関係しますが、中古車であってもサンルーフ付きの車は売れやすく、人気傾向にあります。

そもそもアメリカでは、サンルーフは本革シートと並んで高級車の必須装備品と考えられており、同様に日本でも「サンルーフ付きの車=高級車」というイメージがありました。

ただし、メーカー純正品ではなく、後付けのサンルーフの場合は査定額が下がってしまう場合があるため、注意が必要です。

サンルーフのデメリット

重いので燃費が悪化する

スチール製の屋根に比べると、サンルーフは天窓部分や電装部品などで重くなってしまいます。車重が増えることで燃費悪化に繋がるため、燃費のよさをセールスポイントとしている日本車では車種やグレードによっては採用が難しい場合があります。

屋根の断熱性が低くなる

スチール製の屋根に比べると、ガラスや樹脂の上にフード(サンシェード)を付けているサンルーフは断熱性が低くなります。夏は熱が、冬は冷気が入り込みやすくなるため、エアコンの効きが悪くなると言われています。

さらに、サンルーフは雨風の影響を受けやすいため、水や汚れを定期的に清掃し、スムーズな開閉や雨漏り、故障に気を配る必要があります。

車体本体価格が高くなる

サンルーフは通常の屋根にプラスした装備・仕様であるため、スチール製の屋根のみの車に比べて車体本体価格が高額です。車種にもよりますが、純正サンルーフをオプションで選択すると10万円ほど高くなります。

スポーツカーには不向き?

車重がかさむことや、高い位置に重い装備を付けるため走行安定性に影響が出るなど、サンルーフを装備している車はスポーツ走行を追求する人には好まれない特徴があります。もちろん、レーシングカーやラリーカーはサンルーフを採用していません。

しかし、メーカーも走行性能に悪影響の出ない素材や設計のサンルーフを開発を行っており、こうしたデメリットは徐々に解消されてきているといえます。

日本でサンルーフ付きの車が減った理由は「ダサいから」ではない?

車のサンルーフとは?純正採用車種が減った理由|後付けサンルーフの取り付け価格と方法も
(画像=©Artem/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

日本でサンルーフ付きの車が減った理由は「ダサいから」ではありません。大きな要素として考えられるのは2点存在し、”メーカーによるコスト削減”と”特定のモデルに絞った展開”が挙げられるでしょう。

メーカーによるコスト削減のため

1980年代から1990年代の「デートカーブーム」や「バブル景気」、1990年代中盤からの「RVブーム」が立て続けに起きたのが、サンルーフ採用車種を増やした要因と考えられます。

ホンダ「プレリュード」や日産「シルビア」(S13型)の”デートカー”2ドアクーペは誰もが知るサンルーフ搭載車です。加えて、RVブームをけん引したホンダ「オデッセイ」(初代)にも”サンシャインルーフ”をオプション設定するなど、ジャンルを問わずにサンルーフが用意されていました。

しかし、いずれのブームも終了を迎え、景気が後退。日本の自動車業界はコストカットを余儀なくされたほか、コンパクトカーや環境重視のハイブリッドカーが普及した結果、サンルーフを装備設定した車種が”コストカット”の煽りで減っていったと考えられます。

特定のモデルに絞った展開のため

近年は、優れたスタイリングをもち、実用性のあるクロスオーバーSUVが普及しつつあります。クロスオーバーSUVの普及はアウトドアレジャー人気にも一役買い、キャンプ場へ出かけるユーザーが増えているのが実情です。

例えば、軽自動車ではありますが、ダイハツ「タフト」には標準装備で”スカイフィールトップ”と呼ばれるサンルーフを装着しています。キャンプでの車中泊で夜空を見上げたいときに役立つ便利アイテムで、車のジャンルと用途に見合った装備と考えられるでしょう。

ジャンルを絞り、特定のモデルにのみサンルーフを設定するのを進めることで、アイテムに対する”付加価値”や”希少価値”を高められているのではないでしょうか。