最後はその本質を見失ってしまった4代目(1993年)
最後となった4代目では、なんとシャレードの本質であるはずの1リッターエンジンや同ディーゼルエンジンを廃止、1.3〜1.5リッター級コンパクトカー(3/5ドアハッチバックと、4ドアセダンのソシアル)へと車格が上がってしまいます。
先代では見送られた「デ・トマソ」が復活したものの、アプローズの1.6リッターSOHCエンジンをリファインしただけでDOHCやターボといった飛び道具なし、最高出力も125馬力と平凡で、バブル景気の影響もあったかと思いますが、完全にコンセプトを見失います。
リッターカー時代のユーザーは去り、同クラスライバルのユーザーにも受け入れられないまま販売は低迷、品質や性能で問題のあるクルマではなく、むしろ出来がいいくらいでしたが、だからと言って売れるほど世の中甘くありません。
デ・トマソはルックスが良かったのである程度受け入れられ、海外でもプライベーターが国際ラリーへ出場させるなど根強いファンはいたものの、実用車としては完全にユーザーから見放されました。
リッターカーへ回帰した後継、ストーリア(1998年)登場後も2000年まで販売するも、末期には某クルマ雑誌からの取材に「ストーリアをデュエットとして売るなら、ついでにシャレードをカローラIIIとして売りませんかね…」という販売店のグチがあったほどです。
リッターカーとしてあれほど評価されたシャレードが、なぜ4代目でリッターカーであることをやめてしまったのか…クルマ業界では時々起きる、「車格変更時のイメージ戦略に失敗して不人気車行き」という、最後は悲しい末路でした。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY
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