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学校であることを生かした展示が素晴らしい
廃校水族館にいる生き物たちとは?
学校であることを生かした展示が素晴らしい
むろと廃校水族館は正直なところ、客寄せになりそうな魚や動物はいません。それがここまで有名になったのは、廃校であることを逆手に取って展示や仕掛けにこだわった点に尽きるのではないかと思います。
こちらは入口なのですが、入口からして遊び心に満ちています。営業時間の表示が、"始業"と"下校"になっていますね。
そして入口からすぐの所にある人体模型とAED。人体模型はちゃんと小学校で使われていたものですね。
ちなみにもともとAEDはちゃんとボックスの中に格納されていたそうですが、機種の更新でボックスに納まらないサイズになったため、代わりに水槽が入ってしまっています。こうしたちょっとした仕掛けには大人もついつい見入ってしまいます。
こちらはいかにも小学校の教室に飾ってありそうな書道の作品。ちなみにイカスミで書かれています。
不意打ちで視力検査が出来たり、身長や座高の測定も可能。ついつい測ってしまいますね。
手洗い場はタッチプールにリノベーション!中にはナマコやヒトデ、カニやエビまでもいますので見て、触って、楽しみましょう。生き物は水から出さないようにご注意!
もちろん教室も入れたりしますし
とび箱はくりぬかれて水槽が入れられていますし
OHPですら、飼育箱になったりしています。
カニの水槽が乗っかってるのは、学習机の上・・・。
こういった細かい備品類は細かいところまで見てください。
学校備品がそこかしこでかなり活躍しています。
理科準備室はそのまま標本室になっていたり。
図書室はそのまま図書室として使われたりしています。
あくまで学校、校舎であることをいかした展示方法や、随所に光るアイデアが大人たちに小学校時代を思い出させてくれるのです。
そして、むろと廃校水族館の目玉ともいえるのが、25mプールをそのまま使った大水槽です。
誰もが記憶に持っている25mプールに優雅に泳ぎ回る魚やウミガメたち。なんだかとっても気持ちよさそうに見えるんですよね。プールの水槽は上からだけでなく、ちゃんとプールサイドも一周できるようになっています。じっくりと魚たちに近付いて見てみましょう。
廃校水族館にいる生き物たちとは?
一番大きな水槽である25mプールには、ジンベイザメはいませんがなんとシュモクザメ、いわゆるハンマーヘッドシャークが泳いでいます。
実はこのプールにはサバやカワハギなど、お馴染みの魚たちも一緒に泳いでいます。もちろんウミガメも泳いでいます。
ウミガメたちの姿もプールや校舎内でもたくさん見ることができるのですが、甲羅に色々付けたウミガメも多数見られます。水族館で見るウミガメの甲羅って綺麗な状態が多いのですが、ここではフジツボなどを付けた状態のウミガメがいくつもいるのです。つまりより自然に近い姿の生き物たちを見ることができる水族館なんですね。
むろと廃校水族館で見ることができる魚や生き物たちは世界中の海から集められた・・・というわけではなく、基本的に水族館にいるのは室戸の海に住んでいる魚たち。定置網にかかった珍しい魚などが地元の漁師さんから提供されているのです。
高知ではよく食べられるというウツボや大衆的なボラなど、室戸の海の多様性を知るには十分な魚が約50種類、1,000匹にも及ぶ数が展示されています。特にブリはちょっと推されていて、ブリのぬいぐるみがハズレなしで貰えるぶりくじは人気なのでやってみて!
そして生き物たちと同じ水槽でゴミも展示されているのは斬新で、我々の頭に刻み込まれるものがあります。実際に室戸の海でウミガメに絡まっていたゴミなどもあり、今ここにある環境問題へのリアリティが伝わります。
そして生態展示だけでなく、学術的にも価値ある生物たちのホルマリン漬けの標本などもズラリと並べられています。いわば、展示兼保存室といった側面もあるのです。