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スバル軽では意外?!4WDターボもあった2代目(1981年)
スーパーチャージャーやECVTが登場、3代目550cc(1986年)

スバル軽では意外?!4WDターボもあった2代目(1981年)

「クルマ好きにとって真のレックスは絶対こっちだ!」スーチャーやECVTが載ってた頃のスバル レックスをプレイバック【推し車】
(画像=スバルらしいような気もするが、その後スーパーチャージャー路線に転じたので歴代唯一の4WDターボとなった、2代目レックスコンビ4WDターボ、『MOBY』より引用)

旧態依然としたRRレイアウトに、無理やり押し込んだ2気筒4サイクルエンジンはバランサーシャフトの適切な配置なども難しく、何より当時の主流となった軽ボンネットバン路線には全く向いていないこともあり、2代目レックスはついにFF化。

現在で例えれば「インプレッサやフォレスターに直4エンジンが載ったら、それはスバル車と言えるか?」というほどポリシーをかなぐり捨てての果敢な攻めでしたが、没個性と引き換えにマトモな荷室と居住性を両立したFF軽ボンネットバンを作れました。

スバルらしい4WDの設定も特に他社へ先んじたものではなく、「スバル軽の過給機といえばスーパーチャージャー」という印象とは裏腹に、同社の歴代軽自動車では唯一のターボエンジン搭載車まで設定するも、動力性能は他社と大差なくこれまた凡庸。

改良やグレード追加が進むほどに「なんだかスバルさえも同じ軽自動車を作っているな」という印象でしたが、何しろFFの軽自動車を作ること自体が初めてですし、まずは習作という時代でした。

ひとつ特徴的だったのは、2ペダル車に他社のような一般的なトルコン式ATではなく、電磁パウダー式オートクラッチによるセミATを採用したことで、後のECVT初期型に通じるメカニズムとして2代目レックスでは数少ない独自性を発揮しています。

スーパーチャージャーやECVTが登場、3代目550cc(1986年)

「クルマ好きにとって真のレックスは絶対こっちだ!」スーチャーやECVTが載ってた頃のスバル レックスをプレイバック【推し車】
(画像=当時のミラTR-XXや初代アルトワークスに負けない派手なエアロパーツで武装した、レックスコンビのスーパーチャージャー車、『MOBY』より引用)

3代目レックスもよくいえば洗練されたデザインによる「ミニレオーネ」からの脱却、正直に言えば「他社と変わらぬ凡庸なデザイン」でデビューし、メカニズム面も基本的には2代目からの踏襲で、いよいよ没個性もここに極まれり。

ただ、2代目〜3代目のレックスで面白かったのは、FFこそ他社と変わらぬセミトレーリングアーム採用だったリアサスペンションに、4WDでは3リンクリジッドではなくストラット式を採用した4輪ストラット独立懸架だったこと。

それゆえ、地味な見た目にギャキーン!と安っぽい金属音を立ててブン回る2気筒エンジンとは裏腹に、4WDモデルに限ってはコーナリングでの接地性が素晴らしく、あくまで安い足なのでフルストロークから段差でポンポン跳ねても粘るという面白いクルマでした。

動力性能面でも、SOHC3バルブながら「小排気量の軽自動車用エンジンには、低速トルクを稼げるスーパーチャージャーが有利」とターボから一抜けしてスバル軽としての個性を発揮。

さらに1989年、軽自動車用としては1970年代に入り絶えて久しかった直列4気筒エンジンを復活(EN05)、2ペダル車もオートクラッチ式セミATから、同じく電磁パウダー式オートクラッチを使う無段変速機ECVTの初期型を採用。

1990年代に熱心なファンを獲得するスバル軽自動車の土台を作ったモデルでしたが、直4エンジンEN05に関して言えば1990年の660cc規格への移行決定へのタイミングが悪く、中途半端な時期に登場して短命に終わったのが、少々残念でした。