シェーパースさんの推進力と日本への想い
現在、「アウディジャパン」が取り組んでいるサスティナブル施策は将来を見据えた堅実な内容で実効性に富んでいます。
サスティナブルや自動車業界にとって使命でもあるカーボンニュートラルを掲げる企業や自治体は数多くありますが、ここまで具体的に計画して実施されている例はあまりないかと思います。
「アウディジャパン」は「屋久島町」以外にもバイオマス発電によるゼロカーボンシティの先駆けでもある「岡山県真庭市」や地熱発電で市内全ての電力を賄う「岩手県八幡平市」でも「未来共創ミーティング」を開催していて、いずれも継続して取り組んで行くことを表明しています。
このような取り組みは、リーダーのビジョンと使命感や推進力が成功させられるか否かを左右すると思われますが、これまでの実績からも「アウディジャパン」の取り組みはきっと成功して今後も業界をリードしていくと思います。
ドイツのプレミアムブランドであるアウディが推進する世界遺産「屋久島」でのカーボンニュートラルが成功すれば、自動車が適したパワートレイン(BEV、合成燃料使用のエンジン車等)を適した場所(自然エネルギー発電、火力発電等を用いる地域)で使う“自然エネルギーの地産地消”のリードモデルになると同時に、カーボンニュートラルに向けた取り組みは一律ではなく、地域によって最適化を図る必要があるという検討の活性化にもつながると考えられますので、「アウディジャパン」の取り組みの意義は極めて大きいと言えます。
これらの取り組みはリーダーであるシェーパースさんの経営者としての先見性、強力な推進力と「母は日本人です」という日本への想いによるところが極めて大きいと感銘を受けます。
アウディのブランドオリジナリティ
現在の自動車産業は、SDGsやサスティナブル、カーボンニュートラルなどの実現に向けた取り組み、将来に向けたビジョンや戦略が必須といった状況ですが、特に今後はブランドとしてのオリジナリティが問われ、従来からの「走る・曲がる・止まる」機能が魅力的であることはもちろんですが、コネクティッドなどの付帯サービスや車内のエンタメ、ストリーミングに至るまで多岐に事業は広がっていて、さらにはブランドとして社会における責任や役割をどのように担い、その価値を高めていくか? が重要であると考えています。
それらの取り組みとして、ひとつにはスポーツ振興へのスポンサーシップであったり、各種の寄付であったり、今回の「アウディジャパン」のように世界遺産の島でカーボンニュートラルを実現する挑戦もひとつであると言えます。
アウディの「ブランドオリジナリティ」は車内を中心とした近未来の自動車をコンセプトモデルとして提唱している「sphere concept(スフィア コンセプト)」を軸にカーボンニュートラルの実現に向けたBEVの「e-tron」などの導入と相まって非常に魅力的且つ現実的ですので、今後も注目していきたいと思います。
文・橋爪一仁/提供元・CARSMEET WEB
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