小さいお子さんがいる家庭において、車で出かけた際に特に注意したいのが駐車場での事件事故。車の前に急に飛び出したり、バックしてくる車に気付かなかったり、といった接触事故はもちろんですが、ドアの開閉時にも危険が潜んでいます。
それは、勢いよくドアを開いて、隣の車にぶつけてしまう、通称「ドアパンチ」と呼ばれる物損事故。ついた傷の具合にもよりますが、時に「子どものしたことだから……」では済まされない事態になることもあるんです。
ドアパンチによって出来た車の傷の修理にかかる費用は、一般的に1万円~10万円前後程度と言われています。決して払えない額ではありませんが、いずれにせよ急な出費は痛手。それに、傷の具合によってはドアの取り換えが必要になることもあり、こうなると費用が数十万に至る場合もあります。
大人であれば、こうした金銭感覚が身に付いているため、十分に注意を払うものですが、子どもの場合はそうは行きません。加減が分からず思いっきりドアを開け「ガン!」とぶつけてしまうケースは、保護責任義務のある親が注意をしていなければならない場面です。
■ ドアパンチしてしまった場合はすぐに警察に届ける
もしもドアパンチをしてしまった場合は、速やかに警察に連絡し、対応を仰ぐようにしましょう。小さな傷の場合は、当事者同士の話し合いで済ませようとなることもありますが、これがトラブルの原因になることも。示談交渉は任意保険の会社を通して行うのが賢明です。
また、絶対にやってはいけないのが、その場から立ち去ってしまうこと。これは事故報告義務に違反し、「当て逃げ」と判断される場合もあります。
こうなると違反点数2点が加算され、1年以下の懲役または10万以下の罰金が科せられるだけでなく、「告知義務違反」として保険契約が解除されたり、保険金の支払いがなされなかったりする可能性も。軽率な判断により社会的信用を失ってしまうことにもなりかねません。
■ 「逃げ得」は起きにくくなっている
最近は車両トラブルの証拠とすることを目的に、駐車中であってもドライブレコーダーで録画していたり、駐車場に防犯カメラが設置されていたりと、対策をしている個人・企業が増えています。いわゆる「逃げ得」は難しくなっていますので、例え子どもがぶつけた場合でもそのままにせず、誠意ある対応を心がけましょう。
そして、何よりもまずはドアパンチをしないように、子どもにドアの開閉を安全に行うよう指導する(もしくはさせない)こと、あわせて駐車場で子どもから目を離さないようにすること、それから両脇が空いているスペースに駐車するなど、出来る対策は様々あります。楽しいお出掛けが悲惨な思い出にならないよう、日ごろの注意を怠らないようにしましょう。
(山口弘剛)
提供元・おたくま経済新聞
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