「Rの付かない月に牡蠣は食べるな」は本当?迷信?

牡蠣の都市伝説として「Rのつかない月に食べるな」というものがありますが、これは本当なのでしょうか?
5月~8月に牡蠣は食べない方がいいといわれた理由
Rのつかない月というのは、5月(May)・6月(June)・7月(July)・8月(August)の4ヶ月です。
この格言には、いくつかの根拠があります。
まずは産卵期を終えているからだということです。
産卵期を終えると身が痩せてしまい、うまみ成分も抜けています。
そのため、水っぽくて美味しくないのです。
もう1つは、海水温が関係しています。
夏場にかけて海水温が上がり、食中毒の危険性があるからです。
言われるようになった時代と現在は違う!
「Rの付かない月に牡蠣は食べるな」という言葉は、フランスで生まれました。
しかし、それは今から200年以上も前の話。
現在ではこの言葉の限りとは限りません。
まず身が痩せてしまうというのは、北半球での話。
季節が逆転する南半球では5~8月はちょうど冬で、むしろ旬の時期に合致します。
今では世界中で牡蠣が流通しています。
しかも冷蔵技術も発達しているので、輸入品なども含めれば年間を通じていつでも美味しい牡蠣を味わえますよ。
またマガキは冬場が旬ですが、前述の通りイワガキは夏がピークだといいましたね。
5月~8月のイワガキは、ぷっくり身もついていて美味しいですよ。
マガキの国内二大産地

日本でも漁獲されているマガキ・
その中でも二大産地といわれるほど有名な場所があります。
それが、宮城県と広島県です。
宮城県
宮城県の三陸地方が牡蠣の名産地となっています。
このエリアは黒潮と親潮のちょうどぶつかるところなので、「世界三大漁場」と呼ばれているほど多くの海産物が集まってきます。
さらに三陸地方は、リアス式海外でも有名ですよね。
多くの山があり、ここに雨が降り注ぎます。
この雨水が時間をかけて地中に浸み込み、プランクトンを育てます。
そうです、牡蠣の餌になるプランクトンが豊富にあるのです。
たくさんのプランクトンを捕食して、牡蠣はその体内にうまみをため込むわけです。
三陸産の牡蠣は、他と比較して濃厚でクリーミーなのが特徴で、特に3月~5月が一番美味しいともされています。
広島県
広島県も牡蠣の産地としてその名が知られています。
広島湾での牡蠣の養殖は今から400年以上前、室町時代から行われているほどです。
なぜ広島で牡蠣の養殖が古くからおこなわれていたのか、それは広島湾の特性からなんだとか。
広島湾の波は穏やかで、潮流も適度にあります。
これが牡蠣を養殖するには最適だったんです。
しかも、中国山地が背後に控えています。
中国山地で降った雨が地下水を通じて海に流れ出します。
そして、この地下水には豊富に栄養分が含まれているので、プランクトンが大量に発生し、牡蠣の餌が豊富に確保できるのです。
広島の牡蠣は殻が小ぶりですが、身は大粒で肉厚です。
プリプリした食感が魅力で、味は潮の香りがほのかにしながら、コクも感じられます。
こちらは1月〜2月にかけてが旬なのですが、養殖技術の進化で年間通じて肉厚の牡蠣を楽しめますよ。