奇妙なクルマだが、過去に実例はあった!

flickr.com Author:Dennis Elzinga CC BY-SA 2.0、『MOBY』より引用)
なんとも奇妙なロレモのコンセプトカーですが、実は過去に同様のレイアウトを採用したクルマが実在しました。
1984年まで存在したドイツのオートバイメーカー、ツェンダップが1957年に発売したバブルカー(キャビンスクーターとも呼ばれるマイクロカー)、「ヤヌス」がそれで、背中合わせに座る前後2名ずつの乗員は、前後ドアから乗降する構造。
前後乗員間の床下に単気筒245ccの2ストロークエンジンを搭載したミッドシップカーでしたが、これだけ小さなクルマでは乗員の乗車位置による重心変化が大きく、重心へのエンジン配置による運動性向上は特になかったと言われます。
ただし、エンジンも乗員も中心に集めたので、全長2,890mm、全幅1,410mmと現在の軽自動車より小さい極めてコンパクトなボディの割に余裕を持ったレイアウトが可能で、キャビンは広々としていて、4輪独立懸架サスペンションで乗り心地は良好だった模様。
ロレモLS、あるいはスポーツタイプのロレモGTでは、「抵抗の極限」を盛り込んだデザインで乗降性や快適性を犠牲にしていましたが、無理せずにコンパクトなマイクロEVでも作っていれば、現在でも通用したのかもしれません。
実際には投資家やEU、所在地の州政府などから多額の援助を受けていたわりに、パッとした成果を残せなかったロレモAGは、何度かアナウンスされた生産・販売計画が実行されることもなく、2013年頃には実質的に活動停止状態だったようです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY
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