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投資家さんいらっしゃい!楽しく奇妙なコンセプトカー
ベンチャーにありがちな未来予想図、「低抵抗モバイル」

投資家さんいらっしゃい!楽しく奇妙なコンセプトカー

「夢どころか寝言?」ベンチャー企業が“インパクト”重視のみでクルマを作るとこうなる?ロレモのコンセプトカー【推し車】
(画像=リアハッチを開いて後ろ向きの後席に乗り込む、ロレモのプロトタイプ(狭い)。 
flickr.com Author:loremo CC BY-SA 2.0、『MOBY』より引用)

2023年現在、自動車は地球温暖化対策やら様々な理由により変革待ったなし!

内燃機関の全盛期から、いよいよBEV(純電気自動車)をはじめとする排出ガスのない、あるいは極めて少ない動力を使った自動車へと変わっていく時代に突入し、10年前なら夢のようなクルマが実際に発売されるようになってきました。

しかしそこからさらに10年もさかのぼれば、夢どころか「寝言は寝てから言え!」的なクルマもコンセプトカーとして数多かったものです。

それらの中には投資家からの資金を集めたいベンチャー企業による、あえてインパクト重視なクルマもあり、今回はその中から極めて奇妙な「ロレモ(Loremo AG)」のコンセプトカーを紹介しましょう。

ベンチャーにありがちな未来予想図、「低抵抗モバイル」

「夢どころか寝言?」ベンチャー企業が“インパクト”重視のみでクルマを作るとこうなる?ロレモのコンセプトカー【推し車】
(画像=パッと見はいかにも空気抵抗が少なそうなミッドシップスポーツ、という感じのロレモ。 
flickr.com Author:loremo CC BY-SA 2.0、『MOBY』より引用)

「Low Resistance Mobile」(低抵抗モバイル)、略して「Loremo」と称するロレモAGは2000年に設立された先進的エコカー開発を目的とするドイツのベンチャー企業で、共同創設者の1人によって1995年には最初のプロトタイプ開発をスタートしました。

そんな会社聞いた事ない…と思うのは当然で、ベンチャー企業によくある「スタートアップで派手なファンファーレを鳴らした割には投資家からの資金が集まらず、常に金欠状態でプロジェクトは予想からはるかに遅れ、最後はいつの間にか終わっていた」という典型例。

何しろロレモAGは2001年にフランクフルトショーで画期的なプロトタイプを発表する!という触れ込みで創業したものの、実際に発表できたのは2006年のジュネーブショーで、しかもハリボテでしかない自走不能なモックアップのみでした。

それでもよく言えば斬新、ほとんどの人からすれば奇天烈な構造をしており、面白いと思った投資家でもいたのか、翌2007年には実装可能と”称する”プロトタイプを発表しましたが、現在YouTubeなどで見ることができる映像は、2009年に撮影されたEV版です。