なぜハーランドと比較されるのか?
まず初めにお伝えしたいことは、ハーランドと比較されて多くの注目を集めているが、ホイルンドはまだ発展途上のストライカーであることだ。2022/23シーズンのホイルンド(34試合中10ゴール)とハーランド(53試合52ゴール)の得点数だけを比較するのはナンセンスであることは誰もがわかることだろう。そのことは前提として見ていきたい。
ユナイテッドのエリック・テン・ハフ監督は、ホイルンドについて次のように語った。
「彼(ホイルンド)はまさに前線の選手で、ダイレクトにゴールに向かう。プレッサーとしても優れ、フィジカルも強い。チームのバランスを考えると、彼のような選手が必要だ」
「(マーカス・)ラッシュフォードと並んで、ダイレクトでゴールを決められるもう1人の選手」
「私たちにはハングリーな選手が必要であり、彼はゴールを決めて試合に勝ち、トロフィーを獲得するという強い意志を持つ選手だ」
190cm超えで金髪の左利きストライカー。この類似点だけでも「ハーランド2世」のような呼び方をされるのは、サッカー界ではよくあることだ。しかし、ホイルンドとハーランドにはテン・ハフ監督のコメントでも触れられているように、プレースタイルにも意志の面にも類似点が見られる。
ではもっと細かくプレーについて見ていこう。

現代版ストライカーと正反対?
最近のストライカーは「偽9番」という言葉が流行ったように、スペースのある広いエリアに流れ、ピッチの中央に留まること以外でもとても器用にプレーする選手が多い。しかしホイルンドは、正反対である。
アタランタでは主に2トップのうちの1人として、前所属のシュトゥルム・グラーツやデンマーク代表では[3-4-3][4-3-3]などの様々なシステムの中でありながら、常に中央エリアでプレーしてきた。中央で走り出すタイミングが上手であるのと同時に、相手の左サイドバックとセンターバックの間のスペースでプレーすることが多く、得意の左足でシュートを打てるように考えている。
さらにホイルンドは、ゴール期待値(XG)の低いシュートをあまり打たない。その代わりに常により良いポジションを取り続けようとするため、多くのゴールが簡単に軽く流し込むだけのように見えることがよくある。これはハーランドにも言えることだ。
一見すると古典的なストライカーのように思えるが、アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の指導の下では、弱い右足もより自信を持って使えるようになり、プレッシング能力も向上した。
