iDeCoの注意点

iDeCoの注意点について解説します。

注意点:金融機関の移管および運用商品や配分の変更(スイッチング)

iDeCoのもっとも「面倒」なポイントは、401K(企業型確定拠出年金)との関係性でしょう。たとえば企業に勤めている方が退職し、フリーランスになる場合などには移管手続きが必要です。401Kの金融機関と、個人で加入するiDeCoの金融機関が全く別々ということも多く、この場合の運営管理機関の変更手順は、以下のような流れになります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)はやらない方がいい?デメリット、他の積立がおすすめの人とは
(画像=まずA証券で運用していた投資信託は現金化されます。その後、B証券に移管。そのB証券が改めて投資信託にスイッチングするという流れです。つまり一度、運用している投資信託は「現金化」されます。よって投資対象となっている債券や株も売却する必要があります、『オトナライフ』より 引用)

税制上のメリットが大きい制度ですが、転職や金融機関の乗り換えの度に運用している資産の売却やスイッチングが必要になりがちというのは大きなデメリットです。ちなみに筆者自身も転職、独立の経験がありますが、401Kからの切り替えや金融機関の変更には時間と手間がかかりました。

注意点:加入者の死亡時の手続き

iDeCoの加入者が死亡した場合、遺族は「死亡一時金」の受け取りが可能です。ただし遺族が「裁定請求」と呼ばれる請求手続きを行う必要があります。

とはいえ「指定受取人」や「配偶者」でも、死亡してしまった当人が加入するiDeCoの金融機関情報までは把握していないということもあるでしょう。この場合、裁定請求に至るまでの調査が長期化しやすいのがデメリットです。

指定受取人や配偶者に対しては、iDeCoの加入情報を事前に共有しておくとよいでしょう。

iDeCoのメリット: 税金優遇措置が魅力

とはいえ、やはりメリットもあります。

節税効果

一番のメリットは節税効果が大きいことです。

iDeCo(個人型確定拠出年金)はやらない方がいい?デメリット、他の積立がおすすめの人とは
(画像=法改正により60歳までだった加入(積立)が65歳になるまで可能に。積立期間が長いほど節税効果が高くなり、運用期間が長いほど運用益も大きくなります、『オトナライフ』より 引用)

積立方式による安定した資産形成

iDeCoは基本的に「65歳になるまで」の中長期に渡る積立投資の一種であると言えます。投資対象の債権や株式が安いときには多く買い、高いときには少なく購入することで中長期で見てバランスよく投資できます。投資対象の商品の値動きや暴落のリスクはありますが、分散投資かつ長期的な投資によってリスク分散することが可能です。

各種控除を受けながら安定した資産形成ができる点がメリットです。