離職票と離職証明書との違い
離職票と離職証明書はどちらも離職を証明するための書類です。ただ、用途が異なります。
離職票の正式名称は「雇用保険被保険者離職票」で、退職する従業員が失業保険の受給手続きを行う際に必要な書類です。ハローワークが発行し、事業者が受け取って退職する従業員に渡します。
離職証明書は、離職票を発行するために必要な書類です。事業主が発行し、ハローワークに提出します。
離職票と退職証明との違い
離職票と似た書類に「退職証明書」があります。退職証明書は名前の通り、従業員が退職した事実を証明する書類です。退職した従業員自ら国民健康保険や国民年金の手続きを行う際に必要です。転職先から提出を求められる場合にも必要な書類です。
事業主には交付の義務があり、退職する従業員から発行を求められた場合、速やかに退職証明書を発行しなければなりません。交付を拒否すると違法行為に該当する恐れがあるので覚えておきましょう。
離職票とは発行元と用途が異なります。離職票はハローワークが発行し、それをもって失業保険の手続きをするのに対して、退職証明書は事業主が発行し、国民健康保険や国民年金の手続きを行います。
離職票が必要になるシーン
離職票は、転職先が未定でその期間の失業保険を受給する申請手続きを行う際に必要です。離職票の発行申請は事業主が行うので、従業員の退職時には資料の有無を必ず確認しましょう。
退職時には不要だと言われても、後日、退職した従業員から離職票の発行を求められる可能性があります。離職票自体に有効期限は存在しないものの、失業保険の受給を申請するには退職翌日から1年以内の手続きが必要です。発行依頼があった場合には、速やかに離職票の発行手続きを行いましょう。
離職票の発行方法をステップに分けて紹介
離職票の発行手続きは、退職に伴い事業主が行います。4つのステップに分けて発行方法をご紹介します。
STEP1.退職者が会社に離職届の発行を要求する
まずは退職者が会社に離職届の発行を要求します。事業主は申請を依頼されたら発行しなければならない義務がありますが、企業によっては依頼がなければ発行しないとしているところも存在します。退職者から事業主に対して、離職票が必要である旨を伝えましょう。
STEP2.会社がハローワークに必要書類を提出する
退職する従業員から離職票の発行依頼があったら、事業主はハローワークに必要な書類を提出して手続きを行います。離職票を発行するのに必要なのは、マイナンバーが記載された「被保険者資格喪失届」と「被保険者離職証明書」、賃金台帳、離職理由が確認できる書類のコピーです。
退職日の翌々日から10日以内が被保険者資格喪失届の提出期限とされているため、事業主は必要書類を早めに揃えて、期日までに申請を行いましょう。
参考:厚生労働省「資格喪失届・離職証明書の交付に必要な書類」
STEP3.ハローワークが会社に離職票を発行する
事業主がハローワークに離職票の発行申請を行ったら、後はハローワークが離職票を発行するのを待ちます。離職票の申請は事業主が行うため、発行後は2週間以内に事業主に資料が届きます。
STEP4.会社が離職票を退職者に渡す
ハローワークから離職票を受け取ったら、事業主から退職者に送付を行いましょう。申請から発行まで約2週間と時間がかかるため、書類が届いたらなるべく早く退職者に離職票を送る手続きを行ってください。