伝わった時の読みは「ばいう」だけだった?

(画像=『FUNDO』より 引用)
中国から伝わった言葉のひとつ「梅雨」、伝来した当時は「ばいう」という読み方でした。
それが現在のように「つゆ」と呼ばれるようになったのは、江戸時代頃からだといわれています。
読み方が「つゆ」に変化した理由としては、いくつかの説が推定されています。
雨が降った後の「露」が由来?
雨が降ると、道端の草や木々には露がつきます。
雨が多いこの時期には、そうした風景が良く見られることから、「つゆ」と呼ぶようになったという説があります。
梅の実が熟して潰れる時期だから
6月下旬から7月にかけて梅の実が熟して潰れる時期だから、「つゆ」になったという説もあります。
「つぶれる」ことを意味する「潰ゆ(つゆ、ついゆ)」という言葉から派生したとされています。
カビが発生しやすく、モノが傷みやすい季節だからという説も
梅雨の時期は、湿気が多くカビが生えやすい季節でもあります。
カビのせいでモノが痛みやすく、ダメにしてしまうことも多くなります。
そこで「物がそこなわれる、減る、衰える」などを意味する、古語の「費ゆ(つひゆ)」という言葉が変化したとする説となっています。
梅雨時期の美しい言葉「洒涙雨・灑涙雨」

(画像=『FUNDO』より 引用)
毎日のように雨が続いて鬱陶しい梅雨の時期の中にも、とても美しい響きを持つ雨の名前があることをご存知でしょうか?
それが「洒涙雨」もしくは「灑涙雨」と書き、「さいる」いうと読む言葉です。
これは七夕に降る雨のことで、一年に一度しか逢うことのできない織姫と彦星が、川の水かさが増して渡れなくなってしまった悲しみに流す涙とも、逢えた喜びで流した涙ともいわれています。