今後伸びていく高校は「探求心を育む教育」と「女子校」

 一方、30年前はランクインしていなかったが、23年にはランクインしている高校を見てみると、東大では渋谷教育学園幕張高や西大和学園高、京大では堀川高などがある。

「新たにランクインしてきた高校の教育の特徴としては、開学当初から情操教育に力を入れていたということが挙げられます。知的探求心を刺激するような教育というのは、今の大学入試の読解力や応用力を要する部分にも活きてきますし、時代の流れ的にそうした教育がマッチしたのだと思います」(同)

 またこうした高校の特徴として、中学受験の段階、つまり小学生時代の段階から東大や京大といった難関大へ進学を目指している生徒が多いという。

「最近の受験生やその親御さんたちは、中学受験の時点で受験する高校を分析して、目指す大学の医学部ならこの高校、東大ならこの高校に進学したほうがいいなど、自分たちのニーズに特化した高校を選んでいます。結果、現在の東大や京大のランキングに載る高校というのは、もともと難関大への志願者が多いのです」(同)

 今後伸びていく高校として新たに注目すべきなのが女子校だという。

「30年前と大きく違う点は、女子の大学進学率です。女性の社会進出が進んでいることや、ジェンダー格差をなくそうとする社会の動きが、女子の大学進学率の高さにつながっていることは明らかです。そういったことを踏まえると、やはり今後は女子の進学校がランクインしてくる可能性はあるでしょう。桜蔭高をはじめ、豊島岡女子学園高、鷗友学園女子高などの女子進学校は今後注目すべきですね」(同)

 2020年以降大きく変化した大学受験において、読解力や応用力を重視する教育を各高校が取り入れている。こうした教育の変化によって多様化した高校から、受験生たちは各々のニーズに合った学校を見極める力が必要になってくるのかもしれない。

(文=瑠璃光丸凪/A4studio、石渡嶺司/大学ジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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