「世界最速FF車用」K20Cとの大きな違い
富裕層しか買えないメーカーの広告塔ではなく、実際に手に入れ、自ら踏んでこその高性能エンジンだ
FD2シビックRは2010年で生産終了、その代で日本国内市場から販売不振のシビックそのものが消えたため、タイプRそのものが一旦消えました。
その後2015年にヨーロッパ仕様のFK2シビックに4代目タイプRが復活、搭載されたのは310馬力のVTECターボK20Cで、スポーツ派のクルマ好きには極めて評判の悪いトーションビーム)式リアサスペンションのままで、ニュルブルクリンクのラップタイム更新へ挑みます。
ルノー メガーヌの記録を破るFF世界最速として大きく宣伝され、その後もVW ゴルフやメガーヌと三つ巴の戦いを繰り広げ、リアをダブルウィッシュボーン化した5代目FK8、最新の6代目FL5へと続き、現在も販売中。
しかし、FK2は限定車で日本への割当は750台、車両価格428万円とはいえ、実際はディーラーですぐ売り切れになったと思いきや、一般の販売店がいくらで仕入れたかわからぬものの500万円以上のプレミア価格で販売する「資産化」していました。
次のFK8は限定車ではなくなったものの450万円以上、最終限定車のリミテッドエディションは550万円に達し、最新のFL5でも499万7,300円と、気軽に買って乗り回せる金額ではなくなっています。
全日本ジムカーナではFK2が何台か参戦したものの下位に留まったので戦闘力が高いとはみなされず、FK8からは電動パーキングブレーキになってサイドターンできなくなったので、誰も使いません。
これで「世界最速」だの、「TCRレースなどレースでは活躍」と言われても一般ユーザーには無縁の話で、K20Cがどれだけ気持ちのいいフィーリングと言われても宝の持ち腐れです。
「普通のユーザーが、買って、乗って、ガンガン攻めて結果も出せる」という意味で最後のタイプR用エンジンはK20A supecRであり、「ホンダがユーザーとともにあった最後のエンジン」と言えるでしょう。
性能さえ良ければいいってものでは、ないのです。
今のホンダに、「どうだこれはすごいだろう?ちょっと頑張れば買えるような値段にしたから、キミもぜひ乗って、ホンダがどんなメーカーなのか確かめてほしい!」と言えるエンジンは、ありますか?
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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