目次
■入店後|大人の時間を愉しもう
 ⑥座席へはバーテンダーが案内
 ⑦メニューがない店も多い?
 ⑧カクテルに詳しくない時は?
 ⑨乾杯はNG?
 ⑩2杯目のオーダーのお勧めは?
 ⑪知らない人との会話はOK?
 ⑫バーテンダーへおごりはあり?
 ⑬カメラや携帯の使用は?
 ⑭滞在時間の目安は?
■退店|帰り際までスマートに
 ⑮お支払いはテーブル?
 ⑯もっとBARを愉しみたい人へ

■入店後|大人の時間を愉しもう

決して“通”ぶらずに、少しでもわからないことがあればバーテンダーに聞いてみよう。彼らは接客のプロである。決して上からの目線ではなく、あなたをバーの世界に導いてくれる。

BARデビューにおすすめ!銀座の名バーテンダーに聞く「ルール&マナー」
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

⑥座席へはバーテンダーが案内

「バーテンダーが必ずお声をかけますから、案内された席にお座りください。オーセンティックバーは特に、お客様の席の配置に気を遣います。予約客のことも考えながら、先に来ていたお客様とひとつ空けたところに案内するとか。バーテンダーが行き来する端の席は落ち着きにくいですから、できるだけ空けておくように配慮するなどしています」

BARデビューにおすすめ!銀座の名バーテンダーに聞く「ルール&マナー」
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

乙なひとり掛けのテーブル席を用意しているバーもある。

⑦メニューがない店も多い?

「メニューを用意していないバーはよくあります。それがもとで、バーの料金は“時価”のイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。でも、料金は決まっていますし、バーテンダーに「いくらですか?」と質問してもまったく問題ありません。何を飲むか決める前に、「3000円ほどで」など伝えておくのもいいでしょう。ざっくばらんに言っていただけると、バーテンダーもお酒を勧めやすくなって、円滑なコミュニケーションがとりやすくなります」

⑧カクテルに詳しくない時は?

「メニューはあるが、何を頼んで良いか決められないことは往々にしてあります。その多くがカクテルに詳しくない場合なのですが、その時はバーテンダーと会話しながら、今日の一杯を決めるといいでしょう。さて、ここからが大切です。例えば、ウイスキーのソーダ割であるハイボールも厳密にはカクテルです。飲んだら、特殊な味がするなどの味わいの感想をまとめてみることをお勧めします。

また、ジントニックもそう。美味しかったのかそれとも普通なのかということ。美味しいと思うなら、あなたにとってジンは合うお酒です。あるいは、甘みのあるトニックウォーターはどうでしょう。甘みが嫌いな方はジンリッキー。お酒っぽいのが飲みたいのなら、フレッシュなライムジュースを使うギムレット。そのようにお酒の幅を少しずつ広げていくのがいいと思います」

BARデビューにおすすめ!銀座の名バーテンダーに聞く「ルール&マナー」
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

表に出していないだけで実は、メニューをちゃんと用意しているバーも多い。理由としては、客がそこから選ばなければならないと思ってしまうことを避けたいため。

⑨乾杯はNG?

「居酒屋などで、勢い良くジョッキやグラスをぶつけて音をたてる乾杯をしている光景を目にしますが、バーではやってはいけません。バーで使っているグラスで、特にカクテルグラスは、お酒をより愉しむために薄く作られています。そのため、少し当てただけで欠けてしまったり、割れたりする危険性があるのです。

また、クリスタルなどの鉛の純度が高いヴィンテージのもののカクテルグラスでお出ししている場合も多いですから、気をつけたいところです。そもそもバーはあくまでも優雅にお酒を嗜む場であることを忘れてはいけません。バーで乾杯したい時は、グラスを合わせるのではなくお互いの目の高さまで上げて乾杯するのがマナーであることを肝に銘じておいた方が良いでしょう」

BARデビューにおすすめ!銀座の名バーテンダーに聞く「ルール&マナー」
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

⑩2杯目のオーダーのお勧めは?

「1杯目は無難なジントニックにしました。では、2杯目はどうしたらいいのでしょう。私は、バーテンダーに相談してみることを勧めます。つまり、2杯目こそ会話というバーでの醍醐味を愉しむチャンスということです。バーテンダーはお客様にリラックスしてほしい、自分の時間を愉しんでもらいたいと思っています。また、コミュニケーションをとることで気心が知れ、同時にバーの愉しみも広がっていきますし、バーがリラックスできる場になっていくでしょう。

では、2杯目は何に決めるかですが、一例を挙げればマティーニ。このお酒は、バーテンダーごとにアレンジが異なるといっていいくらい様々なものがあります。会話を愉しんだバーテンダーの作るマティーニの味を記憶しておけば、今後の愉しみのひとつになります」

⑪知らない人との会話はOK?

「バーは自分を見つめ直し、心身共にリラックスする場所ですが、コミュニケーションを愉しむところでもあります。ただ、ここに落とし穴が潜んでいるのです。見ず知らずで隣同士になったばかりのほかのお客様に、急に話しかける人がいるのですね。

例えばある時、外国人の方が来られました。するとその隣に座った人が、外国語が話せる方だったようで、その外国人に声をかけてしまったのです。ふたりで来られているお客様はふたりだけの会話を愉しみたいと思っている場合が多く、話しかけられたことに不快感を露にする方もおられます。その外国人のお客様の場合は女性の方が怒ってしまい、帰ってしまわれました。バーでの会話は、相手の気持ちを察する大人の気遣いが必要なのです」

⑫バーテンダーへおごりはあり?

「バーテンダーの仕事は、お客様が過ごしやすいひと時を作り上げることに尽きます。時々、お客様がバーテンダーにおごろうとすることがあります。気持ちはありがたいのですが、なるべく控えていただきたい。それは常連客に対してもいえることで、プロはプロに徹したい、私はそう思っています。また、ほかの女性客におごろうとする方も見かけることがありますが、こちらも同じく控えた方が良いでしょう。」

BARデビューにおすすめ!銀座の名バーテンダーに聞く「ルール&マナー」
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

こうやってバーテンダーと会話をすることが、バーを愉しむ方法のひとつ。会話の中には今までにはない新たな発見も多いはずだ。

⑬カメラや携帯の使用は?

「カクテルを傾けながらスマホを見たり、カクテルや料理をスマホで撮ろうとするお客様も最近はよくお見かけします。いわゆるインスタ映えというのでしょうか、ネットに上げるのでしょうが、十数カットも撮影するのでないかぎり、私はお止めしておりません。ただ、大きな一眼レフを取り出して本格的な撮影をしようとした方にはお断りさせていただきました。ひと時の安息を求めて来られる他のお客さまに対してマナー違反ですが、これもやはりバーテンダーに一言かけていただくのが一番安全な方法だと思います」

⑭滞在時間の目安は?

「杯数的に言えば1時間で3杯ぐらいが目安でしょうか。それは上質のお酒を美味しいうちに愉しむためです。そして、理性を保っているうちにバーを出るようにしましょう。最後までスマートを心がけてください」

■退店|帰り際までスマートに

大人の男であることを心がけ、店を出るまでスマートに過ごそう。そして日を置かずに再訪する。バーテンダーはきっとあなたを覚えている。さらに愉しい時間が過ごせるだろう。

⑮お支払いはテーブル?

「バーでは何杯飲まなければならないという決まりはありません。ゆっくり過ごしてください。ただ、先にお話ししたように、何杯も飲んで酩酊してしまわないようにしましょう。そう、この後、お支払いとなるわけですから。

方法が2通りあります。ひとつがレジカウンターで会計をする、もうひとつがテーブルチェック。レジカウンターはおわかりでしょうから、テーブルチェックを説明しますと、これはその名の通り、お客様が座っていたテーブルやカウンターで支払いを済ませる方法です。それぞれのバーがどちらの支払い方法かは、聞いてもいいですが、普通は聞くまでもなく、周囲のお客様がどのように支払っているかを観察すればいいのです。

さて、お支払いが済んだ後、バーの余韻をもう少し愉しみたいという方もいます。しかし、だらだら長居するのは考えもの。バーはスマートな大人の憩いの場ですから、さっと帰るという粋な所作が美徳です。長くてもお会計から席を立つまで10分くらいがいいでしょう」

⑯もっとBARを愉しみたい人へ

「自分の行きつけのバーをひとつかふたつ持っていることは、お客様にとってとてもいいことです。仕事帰りにちょっと寄って息抜きしたりするのは、一日の自分へのご褒美ともいえます。また、バーテンダーと仲良くなったり、他の常連客との様々な話を耳にすれば、仕事関係や家庭では得られない世界が広がることでしょう。また、バーテンダーや多くのお客様の所作から得るところも多いはず。その先にあるのは、誰しもが憧れを抱くような洗練された大人の男の姿かもしれません」