金融庁の対応が焦点
事態を受け国も動きだした。国土交通省が今週にもビッグモーターに聴取を行う方針を示しており、損保ジャパンについても金融庁が対応に乗り出すのは必至とみられている。
「不利益を被った損保ジャパンの契約者は数万人単位に上る可能性もあり、2006年に損保業界を揺るがせた保険金不払い事件以来の大きな問題に発展するのでは。ビッグモーターの再起はもう不可能だろうが、事態の進展によっては損保ジャパンの経営も揺らぎかねない」(全国紙記者)
保険業界関係者はいう。
「東京海上日動や三井住友海上と比べて、損保ジャパンは営業力が強かった旧安田火災と旧日本興亜損保を母体としていることもあり、損保業界のなかでも『ガツガツした営業』で知られる。なので、今回のニュースを聞いても『損保ジャパンなら、これくらいはやるだろう』という感想で、あまり驚きはない。コンプラ重視にうるさくてお行儀のよい東京海上日動や三井住友海上なら、こんなことはやらないだろう」(7月18日付け当サイト記事より)
不正が表面化してから現経営陣は一貫して表舞台に姿を現さず沈黙を貫いているが、25日にはようやく兼重宏行社長が記者会見を行うという。
「社長は兼重氏だが、不正が広まったここ5年ほどは兼重氏は現場から退き、息子で副社長の兼重宏一氏が経営を取り仕切っていた。宏一氏は20代のときに取締役に就任して以降、父親の威光をバックに社内で経営の実権を握っていたわけだが、この世襲がすべての間違いの始まりだったということだろう」(同)
当サイトは2020年1月11日付記事『損保ジャパン、過失割合10対0でも補償金“払い渋り”…右足切断の被害者へ冷酷な対応』で損保ジャパンの企業体質を報じていたが、以下に改めて再掲載する。
※以下、呼称・役職・数字・時間表記等は掲載当時のまま
――以下、再掲載――
損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)の交通事故対応をめぐり、昨年末ごろからインターネット上で被害者を名乗る人たちが続々と声をあげている。被害者への保険金未払い、担当者の不誠実な対応などに関する証言や、事故当時の生々しい写真なども続々と上がり、批判の声が収まる気配を見せていない。