5ナンバーのメリット・デメリット
5ナンバー車のメリットとデメリットは、3ナンバー車のおおよそ正反対になります。5ナンバーは車体が小さいため狭い道でも運転しやすく、エンジン排気量やタイヤサイズが小さいため、燃費性能や維持費にも優れています。
その反面、室内空間の広さでは3ナンバーにはおよばず、大型の3ナンバー車から乗り換えると室内幅の狭さが気になるでしょう。全幅が1,700mm以下に制限されるため、十分な側面衝突安全性を確保するためには室内幅を狭めざるをえなく、スペース効率を追求するとドア内張りや側面のボディ形状も平板のような簡素なデザインになりがちです。
加えて、エンジン排気量は2,000cc以下に限定されるため、自然吸気エンジンでは高速道路での巡航性能に不満が出やすく、高速走行時の安定感でも3ナンバー車に一歩譲ります。以上の特性から、5ナンバーは街乗りに適した車といえます。
3ナンバーで購入できる車種
現在の各メーカーの新車ラインナップは、衝突安全性の向上に伴う大型化やグローバル化により、コンパクトカーを除くほとんどの車が3ナンバーです。そのなかでも、現在新車で購入できる特徴的または象徴的な3ナンバー車を紹介します。
スズキ スイフトスポーツ
スズキのコンパクトカーであるスイフトのスポーツモデルがスイフトスポーツです。4代目スイフトの標準モデルは5ナンバー車であるのに対し、スイフトスポーツは排気量わずか1.4Lでありながら、全幅が1,735mmまで拡大されているため3ナンバーに該当します。
4代目スイフトスポーツは、欧州市場向けのフェンダーをそのまま装着。標準のスイフトよりもトレッド幅が拡大され、スポーツハッチバックらしいハンドリングとスタイリングが与えられています。
ホンダ ステップワゴン
1996年に登場した初代ステップワゴンは、5ナンバーサイズミニバンとして誕生。以来、エアロバンパーなどを装着したスパーダを除く標準モデルは5ナンバーを守り通してきましたが、2022年に登場した6代目ステップワゴンは標準モデルが全長4,800mm×全幅1,750mmとなり、全車3ナンバーに変わりました。
プラットフォームは先代と共通としながらも、6代目ステップワゴンは2列目の幅が大きく拡大。全長の拡大はおもに外観の変更に割り当てられているものの、優れた運転視界と運転支援機能により3ナンバー化の弊害は最小限に抑えられています。
レクサス UX
レクサスのコンパクトSUVであるUXをはじめ、レクサスラインナップはすべて3ナンバーです。元来レクサスはトヨタの海外向けブランドであったことから、日本国内で扱いやすい5ナンバーサイズボディに留める必要性はありません。
レクサス UXのボディサイズは、全長4,495×全幅1,840×全高1,540mmであり、ベースとなるトヨタ C-HRよりも大きく、輸入車らしい伸びやかなデザインに仕上げられています。レクサス最小のSUVのとして2023年秋以降の発売が予定されているLBXも3ナンバーです。