膨大な台数の部品が平然と並ぶ
圧巻のストックヤード
噂には聞いていたけれど、まさかここまでとは……。今回がレッドバロン本社工場の初見学の機会となった僕はその最中、終始感心させられっぱなしとなった。
その最大の理由は、補修用中古部品のとてつもない保有数。具体的な数字を書けば、3万3000㎡という広大な敷地面積の同社工場内には、なんと3700機種・76万点以上ものパーツがストックされている。しかもすべての中古部品は車体から取り外しただけではなく、一品一品入念な点検を行い、モノによっては修理や加工といった再生作業を実施。それら点検・再生を受けたパーツは、同社独自の保管ラベルを貼った状態で管理されているので、メーカー純正部品のように、全国のレッドバロンから発注を受けた際は迅速な対応ができるのだという。
ちなみに、ゼファーやZRX、CB-SF、ハヤブサ、SR、ホーネット、バリオス、NSRなどの人気モデルには、さまざまな部品を一カ所に集めた車種専用の巨大な棚が設けられて、それらがズラリと並んだストックスペースの眺めは圧巻。もちろん、専用の棚がない車両でもストックは相当に豊富で、同社が保証付きで販売している車両であれば、パーツに関する心配は一切不要なのだ。念のために記すが、同社が所有するこれらのストックパーツはレッドバロンで車両を購入した会員用のもので、一般には販売していない。
膨大な台数の部品取り車と、車両の解体前に行う点検作業
工場内に並んだ部品取り車の一群。パッと見ではそのまま中古車として売れそうな雰囲気だけれど、いずれの車両も何らかの問題を抱えている。
解体前に各部の作動状況を点検中。メカニックの作業が終わったら、ACIDMを用いて測定。
見学者用の展示として、解体部門の手前にはドンガラ状態のVMAXが置かれていた。奥の棚には車体から取り外したパーツがズラリと並んでいる。
入念な検品・研磨作業を経て、独自のシステムで管理される
分解した部品をそのままストックするのではなく、レッドバロンではすべてを検品。燃料タンクやフェンダーは汚れを落としたうえで、徹底的に磨き上げ、場合によっては補修も行う。
見学者用として展示されていた、ホーネット用のパーツ群。いずれも作動状況は確認済みだ。
検品を終えたパーツはすべて梱包。その上で、同社独自の保管ラベルを貼り管理される。
全国の店舗から作業依頼が届く
多種多様なエンジンまわりの作業に対応
エンジンの整備や修理はレッドバロン各店でも行うが、時間のかかる重作業などに対応するため、本社工場にはエンジン補修に特化した部署が存在。ここでは国内外のメーカーを問わず、あらゆるエンジンまわりの作業が行われる。バルブシートカッターやボーリングマシンといった加工機械まで設置。
2輪のペイントを熟知した職人が純正カラーを見事に再現!
レッドバロンの本社工場で行うリペイントは、純正色の再現度がとてつもなく高い。その理由は、センサー+パソコンを用いたAI調色に依存せず、経験豊富な職人が色合わせを行ってるからだ。カワサキのライムグリーンを例に取れば、車種・年式によって微妙に色合いが異なるため、これまでに行った調色は40種類以上に及んでいる。