テレビ番組の放映後に新たな展開

 忘れ去られそうな「ナイリーン・マーシャル失踪事件」だったが、1990年になってまた新たな動きを見せはじめる。

 テレビ番組『Unsolved Mysteries』の1つのエピソードでこの事件が取りあげられた際、カナダ・ブリティッシュコロンビア州在住の視聴者は、番組で紹介されたナイリーンを知っていて、彼女はその視聴者の教え子だったと報告してきたのだ。

 ナイリーンは4歳で“蒸発”したのだから学校などへは通う前であり、この人物の主張は的外れではあったのだが、調べてみるとこの人物のいう少女はナイリーンではなく、1982年にカリフォルニア州バーバンクで行方不明になったモニカ・ボニーラという名前の別の少女のことであることがわかったのである。

 また同じ年にカリフォルニア州で別の子どもの拉致を画策していた男女の似顔絵が出回り、ナイリーンの叔父はその子どもと行方不明の姪に関係があることを確信したという。しかし残念ながらこれも解明にはほど遠い案件であった。

 そして翌年の1991年、リチャード・ジェームス・ウィルソンという名前の男性が、ナイリーンを殺害したことを自白し、遺体の隠し場所を当局に告げた。しかし、遺体はそこにはなく、彼は自白を撤回、警察も彼は事件には関係していないと見込んでいる。

 さらに奇妙なのは、1998年にオクラホマ州の病院に産気づいて入院した女性のケースもある。病院のスタッフの1人が彼女が成長したナイリーンなのではないかと指摘し、念のため血液検査が行われたが結果は陰性であった。

 テレビ番組の放送によってこうしたさまざまな情報が寄せられることになったのだが、いずれも「ナイリーン・マーシャル失踪事件」の核心をつくものではなかった。こうして謎多き失踪事件は解明の糸口すらつかめない未解決事件として迷宮入りすることになる。この事件をフィーチャーした「Mysterious Universe」の記事は、残念ながらおそらく永遠に解明されることはないだろうと結んでいる。

 ナイリーンがどこかで生きているとすれば今年で42歳となる。もし別人として生きているのであれば今さら自ら名乗り出ることはなさそうだが、万が一にも動きが見られればチェックしていきたい。

参考:「Mysterious Universe」「Missoulian」「Wikipedia」ほか

文=仲田しんじ

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?