昇格争い意識よりも積み上げ

ー福岡でも2020年にJ1昇格を経験されましたが、自身が多くの試合に出ながら昇格を争うのは今季が初めてですよね?

北島:まだ(消化試合数が)半分なので、昇格争いというよりかは、勝つ、積み上げる。近い順位のチームのことを考えるんじゃなくて、自分たちがどうやって勝ち点を積み重ねるかということだけに集中しています。まだそんなに「昇格争いしているな」という感覚はありません。試合に出てチームのために毎日、毎試合やっていたら最後、終盤になって昇格が見えてくると思います。目の前の1試合に自分の持っている力を出し切ることに集中してやっていきます。

ー継続的に試合に出るようになり、試合が近い日の練習への取り組み方は以前と変わりましたか?

北島:これまで自主練を結構やり込むタイプだったんですけど、最近は全体練習の後の自主練を控えめにしています。自主練によって感覚を磨いたりはできますが、その分身体に負担がかかり、次の日の練習や試合に少し影響があるからです。疲労は残るので。今は怪我のリスクを抑えるように取り組んでいます。

ー現在、課題に感じている部分があれば教えてください。

北島:やっぱり細かなミス、イージーなミスというのはまだまだありますし、試合によって波があるのが課題です。毎試合一定のパフォーマンスを出せるようにするのが、今の課題ですね。

ーその課題を克服するために、ルーティンなど試合前にしていることはありますか?

北島:ルーティンは特にないですが、試合前日には、試合で自分がうまくプレーできる姿と、逆にあんまりうまくいかない自分を想像します。その時にどういうメンタルになるのかを想像しておくと、仮にそうなったとしても切り替えられるんです。ミスしたから焦っちゃうということはなくしたいので、ミスした時のメンタルを準備しておくことで引きずらない、というのを、最近メンタルのトレーナーの方とやっています。


東京ヴェルディ 城福浩監督 写真:Getty Images

城福監督の相手の弱点を突く力

ー現在東京Vを率いる城福浩監督は、Jリーグの中でも特に実績を残している監督の1人ですが、実際に指導を受ける中で、どういった部分に凄さを感じますか?

北島:(城福監督の)相手の弱点を見つける力、その弱点に対して自分たちがどうやって突くのか、その弱点を突いてどうやって試合を優位に運ぶのか、というマネジメント力や戦術が凄いなと感じます。試合をやっていると実際本当にそこが攻めるポイントになっていますし、これまでのキャリアで培ってこられたものなのかなと感じますね。

ー熱さも伝わりますね。

北島:はい。選手と一緒に戦っているというのを、本当に感じます。勝利への執念は誰よりも強く、選手と一体となって戦ってくれる監督です。

東京ヴェルディ DF谷口栄斗 写真:Getty Images