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サアード朝墳墓群とエル・バディ宮殿
アフリカ大陸随一の誉れ高いラ・マムーニア
サアード朝墳墓群とエル・バディ宮殿

メディナの南には、現王室がマラケシュ滞在時に用いる王宮があります。この界隈は歴史的に城塞地域にあたり、カスバと呼ばれます。現王宮の北側に残るのは、サアード朝のスルタンが16世紀に16年かけて建てたエル・バディ宮殿。宮殿とはいっても廃墟に近いものですが、その広大な敷地には一見の価値があります。かつてはトルコ石や金、クリスタルなどで装飾されていたという300を超える部屋を想像してみてください。城壁からの眺めもなかなか素晴らしく、地域や歴史に関する展示も興味深いものがありました。また、季節によっては、子育て中のコウノトリの姿も多く見えます。
エル・バディ宮殿
- 開館時間:9時~17時
- 入館料:70DH

カスバのサアード朝墳墓群も人気の観光スポットです。その名の通りサアード朝の王族の墓ですが、大理石と色とりどりのタイルをふんだんに使った美しい建築に、現代においても観光客の脚が途絶えません。
サアード朝墳墓群
- 開館時間:9時~17時
- 入館料:60DH
アフリカ大陸随一の誉れ高いラ・マムーニア

イスラム教の寺院であるモスクは町のそこここにありますが、もっとも大きくまた有名なのはジャマ・エル・フナ広場近くに建つクトゥビーヤ・モスクです。12世紀の建築当時は、イスラム世界最大のモスクでもありました。高さ69mあるミナレは遠くからもよく見えます。祈りの場であるモスクは見学対象ではないので、中には入れませんが、その威容は外から眺めても感じることができるでしょう。
このクトゥビーヤ・モスクからほんの数分西方へ足を延ばしたところにラ・マムーニア・ホテルがあります。2018年にはアフリカ大陸のホテルランキング1位に輝いたこともある超のつくラグジュアリーホテル。宿泊費用はオフシーズンでも1泊6万円を下りません。とはいえ、ロビーや庭は誰でも入ることができます(セキュリティチェックあり)。観光に疲れた時など、喧騒から遠く離れた庭園を散策し、優雅な気分でお茶を楽しみにいくのもおすすめです。

余談ながら、こちらのラウンジでお茶をいただいているとき、BGMの中に日本の楽曲が流れました。南佳孝の『夜間飛行』と伊藤銀次の『こぬか雨』という渋い選曲で、異国で聞くとエキゾチックな日本語にしばし耳を傾けました。