セルジオの死後に発表された「ピニンファリーナ セルジオ」

「4億3,000万円で市販化されたクルマ」フェラーリを手掛けたデザイナーの魂が宿る、ピニンファリーナ セルジオ【推し車】
このように高いサイドシルに阻まれてはいるが、乗降性は悪くなさそうに見える(画像=『MOBY』より 引用)

そのピニンファリーナを1961年に引き継ぎ、引き続き自らのデザイン、あるいはデザイナーを指揮監督し、多くのフェラーリのほか、フィアットやプジョーなどの市販車やコンセプトカーも多く手掛けたセルジオですが、2012年7月に86歳でこの世を去ります。

彼の業績を称え、2013年3月のジュネーブショーで発表されたコンセプトカーは「ピニンファリーナ セルジオ」と名付けられました。

やはりピニンファリーナでデザインされたフェラーリ458スパイダーをベースに、フルカーボンボディによる軽量化と空力性能の追求をテーマにフルカスタマイズされ、オリジナルから面目を一新したエレガントで、未来的なデザインとなっています。

ウインドシールド(フロントガラス)はないものの、50km/h以上では走行風がドライバーと同乗者の頭上を超えていくように設計され、サイドシルが高く、外側上方へ開くドアが非常に小さいのも大きな特徴でした。

フェラーリによって限定6台、4億3,000万円で市販化

「4億3,000万円で市販化されたクルマ」フェラーリを手掛けたデザイナーの魂が宿る、ピニンファリーナ セルジオ【推し車】
フロントガラスや通常のヒンジ式ドアなど現実的な姿になったとはいえ、コンセプトカーの美しさを受け継ぐ市販型フェラーリ セルジオ(画像=『MOBY』より 引用)

コンセプトカーとはいえ、既に市販されていた458スパイダーがベースなだけに市販化も案外容易だった「セルジオ」は翌2014年、ウインドシールドや通常のヒンジ式ドアを備えた現実的な姿に改めたうえで、「フェラーリ セルジオ」の名で市販に移されました。

ただし限定6台、職人が金型とハンマーでアルミ板を叩いて作った頃のようなワンオフに近い生産台数で、お値段も当時の日本円で約4億3,000万円!

最高出力が公称608馬力と458から少々上がっていることから、ベースは同時期に発売された458スペチアーレ・アペルタ(499台限定)になっているようですが、ハイパーカーというほどの性能ではなく、超高額な価格は純粋にデザインと製作費用でしょう。

それでも世界中から注文が殺到したらしく、日本にも1台が入ったと言われていますが、この種のクルマの常で転売のためオークションにかけられることも多く、一時は6億もの値がついたこともありました。

近年はやや落ち着いて新車価格に近いと言われていますが、生産台数が極端に少ない超希少車のため、年を経るごとに価格が上がっていきそうな1台です。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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