男子校は昔のまま、女子校は先進的な価値観に

 もちろん男子校、女子校の出身者であるかどうかに関係なく、異性との人間関係をすんなり構築できるかどうかには個人差がある。

「男子校、女子校出身者は、異性との人間関係がうまくいかなかったときに、『男子校(女子校)出身だから異性の気持ちがわからない』という言い訳ができてしまいます。それが積極的に異性と関わろうとしない免罪符になってしまうので、よりいっそう異性との溝ができてしまうというケースもあるでしょう」(同)

 異性とのコミュニケーションの取り方について、男子校、女子校で教育は行われていないのだろうか。

「男子校では、2010年ごろから立教池袋中学・高校をはじめとする進学校で、先進的な性教育を施すところもありますが、一人ひとりの生徒すべての面倒を見きれるほど変革できているかというと微妙です。

 一方、女子校はというと、特に首都圏、関西圏の学校では、性教育も含めてキャリア問題についても敏感であり、女性の社会進出に向けた意識改革も進められ、特別講座も開催されています。こういった取り組みが直接的に社会規範を形成することにつながるというわけではないかもしれませんが、女性のキャリア、働き方について学生のころから強く意識できるようになるのではないでしょうか」(同)