1. 金融機関の金融勘定:ドイツ

    続いてドイツのデータです。

    図3 ドイツ 金融機関 金融勘定 対GDP比OECD統計データ より

    図3がドイツの金融機関の金融勘定 対GDP比です。

    拡大と収縮を繰り返していますが、リーマンショックによる収縮、コロナ禍による変動が可視化されています。

    また、1990年代末頃をピークとした拡大と収縮も見られますね。金融取引のボリュームとしては、対GDP比で15~30%程度のようです。

    特徴的なのは、金融資産側の現金・預金(青)の存在感が大きい事です。比較的株式(緑)も多いようです。

    負債側では貸出が大きく、債務証券、株式、借入、年金・保険がある程度の存在感で推移しています。

  2. 金融機関の金融勘定: フランス、イギリス

    続いてフランス、イギリスのデータを見てみましょう。

    図4 フランス 金融機関 金融勘定 対GDP比OECD統計データ より

    図4がフランスの金融機関の金融勘定 対GDP比です。

    金融資産も負債もその他(グレー)が目立ち、詳細が良くわからないグラフになります。

    フランスの場合、海外の金融勘定もその他のボリュームが大きかったですね。

    項目がわかる範囲では、負債側では現金・預金が多く、資産側では現金・預金、債務証券、貸出、株式が比較的バランス良く保有しているという事くらいでしょうか。

    何と言っても金融取引の規模が2007年で100%を超えていて、全体的に高水準であるのが特徴的です。

    その他の内訳がどのようなものなのか、気になるところですね。

    図5 イギリス 金融機関 金融勘定 対GDP比OECD統計データ より

    図5がイギリスの金融機関の金融勘定 対GDP比です。

    やはり、リーマンショックでの急激な収縮が確認できます。フランスと異なって、内訳が良くわかりますね。

    金融取引の規模が2007年で100%を超えているのも特徴的です。

    やはり、負債側の現金・預金が拡大していて、その後急激に収縮しています。資産側の現金・預金や貸出も同様ですね。

    少なくとも金融面から見た経済活動が、リーマンショック前まで拡大し、その後急激に縮小して停滞しているという事がわかります。

    そして、コロナ禍での変動が起こり、2022年はまた落ち着いている状況です。