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ツイン49万円!しかし実態はアルトより高く使い勝手も悪い
ネタならネタで、「ツインターボ」作っちゃう?

ツイン49万円!しかし実態はアルトより高く使い勝手も悪い

『ツイン49万円』伝説の“バッテリー16個積みハイブリッド仕様”も!話題性満点のマイクロカー・スズキ ツイン【推し車】
(画像=全長もホイールベースもアルトより思いきり短い専用設計のためか高価になり、「マイクロカーだからと安くはできない」という厳しい現実を見せられた、『MOBY』より引用)

エンジンこそアルトやワゴンRと同じ660ccエンジンK6A(自然吸気仕様44馬力)を搭載し、衝突安全基準の関係上、全幅も削れないので軽自動車枠いっぱいの1,475mmではありましたが、後席がないので全長2,735mm、ホイールベース1,800mmと超ショート!

最小回転半径などアルトFF車の4.2mに対してわずか3.6mと、見た目通りの小回りのよさで、いかにも使い勝手が良さそうです。

思い切って簡素な内外装から期待される価格も「49万円」からと、初代アルトの47万円には及ばないものの、それだけ見れば「おっ安くていいクルマができたな!と思うところ。

しかし!実は49万円モデルの「ガソリンA」(5速MT)はエアコンもパワステもなく、それらがついた3速AT車「ガソリンB」は84万円、2003年6月に5速MTのガソリンAにもエアコン/パワステつきが追加されたものの65万円。

これに対し、同時期のアルトでもっとも安い4ナンバー登録の「アルトバンVs」なら5速MT車で55.5万円、3速AT車でも64.5万円、5ナンバー登録で一番安い「アルトLb」も5速MT車65.5万円、3速AT車で71万円、いずれもパワステ/エアコンは標準装備。

それでツインは2人乗りでリアハッチがなく、小さいガラスハッチしかなくて荷物の出し入れは不便なのに、アルトは4人乗り、ちゃんとリアハッチがあって大きい荷物もラクラク出し入れ…では、実用性の面で全く勝負になりません。

超ショートホイールベースの専用プラットフォームが必要で、派生車もなかったのはコスト面でかなり厳しかったらしく、ツインはアルトよりかなり割高なクルマになっちゃいました。

もちろん、「エアコンもパワステもいらない!」と軽トラばりなスパルタンさを受け入れるなら安いガソリンAでもいいですし、小回りのよさと駐車スペースが短くて済むのがものすごく助かる!というならツインもアリですが、それ以外はただのネタ扱いです。

それをユーザーも察してか販売は低調で、街で見かける機会もあまり多くはありませんでした。

ネタならネタで、「ツインターボ」作っちゃう?

『ツイン49万円』伝説の“バッテリー16個積みハイブリッド仕様”も!話題性満点のマイクロカー・スズキ ツイン【推し車】
(画像=ツインは、ターボや同じ自然吸気版K6Aでも高出力版へのスワップチューンでマイクロスポーツ化された例も多い ©DCTMダイチャレ東北ミーティング、『MOBY』より引用)

しかし、とにかく小さくて軽い(※)なら、パワフルにしちゃえば面白そうだ!というわけで、ネタ車をさらにネタ化したいユーザーはいつでもいるものです。

(※ツインのガソリンA・エアコン/パワステつきで580kg、アルトバンVsが630kg、いずれも5速MT車)

アルトワークスやワゴンR用の64馬力DOHCターボ版K6Aを搭載し、「シングルターボなのに”ツインターボ”」としたスワップチューン車を作り、大径ホイールにインチアップすれば、もう見た目も走りもチョロQそのまんま!

ダイハツのマイクロ軽トラ「ミゼットII」でもターボ化する人はいましたが、「ツインターボ」でもただターボエンジンにスワップしただけではホイールベースが短すぎて直進安定性に難があったようで、元気よく走るには慣れが必要だったと言われます。

また、「東北660選手権」など新規格NA軽自動車レースにも参戦しますが、軽さを活かして長い直線でかっ飛ばしたあと、コーナー手前のブレーキングでスピンしやすい傾向があり、足回りをよく考えてセッティングする必要があるクルマでもありました。