現在の日本を代表するスポーツカーといえば、ホンダ NSXと日産 GT-R(R35)ではないでしょうか。この2台のクルマの特徴や違いについて、加速性能や居住性、使い勝手など、さまざまな角度から、比較してみました。
スペックは、ほぼ互角
2016年に国内で販売が開始されたホンダ NSXは、ミドシップレイアウトの2シーターのスポーツカーです。
パワーユニットには、3.5L V6 ツインターボエンジンに、フロントに2基とリアに1基のモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。
エンジンとモーターを合わせた、システム全体の最高出力は427kW(581ps/エンジン単体では373kW)、最大トルクは646Nm(65.9kgm/エンジン単体では550Nm)を発生します。
車両価格は、2,370万円~となっています。
対する日産 GT-Rは、2007年のデビュー。トランスアクスル方式を採用したAWDに、後列シートをもつ4人乗りのスポーツカーです。
発表時点で世界の「量産市販車」において、ニュルブルクリンク北コースの最速ラップタイムを記録して話題となりました。ほぼ毎年、車両装備やエンジンにアップデートを行い、モデルイヤーを重ねる毎に魅力的なクルマへと進化しています。
2017年モデルの3.8L V6 ツインターボエンジンは、最高出力419kW(570ps)、最大トルクは637Nm(65.0kgm)を発生。
車両価格は996万円~です。
中間加速はNSX有利か?
NSX最大の特徴は、ツインターボエンジンの高出力に加え、モーターアシストがあることです。
その出力は、エンジンの15%程度と決して大きくはありませんが、モーターは瞬時に最大出力が発揮できる利点があります。そのため、アクセルを踏み込んだ瞬間のターボラグを解消できるなど、優れたレスポンスが実現可能です。
対してGT-Rは、大排気量エンジンのメリットを生かし、低速から力強いトルクを発生します。回転の上昇とともにターボの威力によってトルクが増大する、典型的な過給エンジンとなっています。
この2台の加速性能は、タイムからみるとわずかにGT-Rのほうが有利なようですが、出力や車重などのスペックから判断する限り、大きな差はありません。
ただし、追い越し時の加速レスポンスは、モーターアシストがあるNSXに分があると考えられます。