値上げしたらそっぽを向かれるビジネス
日本は長く「安いことはいいことだ!」を貫いてきました。しかし、この1年、仕入価格の値上げラッシュでやむを得ずメニューの価格改定をした大手飲食店も多かったのですが、そっぽを向かれました。回転ずしのスシローは脱100円寿司がボディーブローとなり、ココイチのカレーは今年2度の値上げもあり、客足が戻りません。一方、先日お伝えしたようにラーメン屋は1000円が当たり前でも客足はコンスタントですし、値上げしない宣言をしているサイゼリアも好調のようです。この違いは何でしょうか?

サイゼリアとカレーハウスCoCo壱番屋(両社HPより)
ズバリ「お得感 VS 100円余計に払っても食べたいもの」。この違いでしょう。私は日本で回転ずしチェーンにはもう行きたくないのです。理由はふぐ刺しと見間違えるほどの包丁さばきで、回転ずしならぬ「回転『寿司シャリ』トッピング付き」はもう勘弁なのです。ココイチのカレーも別に普通のカレーです。どうしてもそこに行きたいカレーではなく、普段使いの腹をみたす為の日本人が大好きなカレー、その程度です。
何年も前にこのブログで外食の危機を述べたことがあります。総菜を買う中食ブームとオンラインレシピによる内食での腕の向上が期待できたからです。私がバンクーバーでグルメっぽいことをしていないのは何処に入っても似たり寄ったりだからです。レストランは社交場、それ以上でもそれ以下でもないのです。サラリーマンランチは安くて工夫をしている個店の方が受けます。主婦は入りやすさでチェーンを選びますが、基本は社交場的意味合いであって回転ずしやカレーでは会話は弾まないのです。インスタ映えというトレンドもチェーン店には逆効果のような気がします。