<事例3c>TBSテレビ『ひるおび』 2017/07/03

恵俊彰氏:ね~、三雲さん、これ印象的でしたもんね。

三雲孝江氏:ね~、握手くらいすればいいじゃないね~。ご挨拶なんだからね。しっぺ返しですね。

恵俊彰氏:それだけやっぱり厳しいんですね。今回はね。

田崎史郎氏:そうですね。だからやっぱりテレビでわりとこう取り上げられてしまった人が次々と落ちてますよね。

恵俊彰氏:印象的ですものね。

田崎史郎氏:印象的です。

恵俊彰氏:それがやっぱ伊藤さんまだ続いてたんですね。この熱が。

伊藤惇夫氏:だからやっぱり頭の黒いネズミたちが落っこったということですね。

以上のトークは川井議長が小池都知事の握手を拒否したということが前提で進められたものです。印象で都議会選挙が行われることには大きな問題があるかと思いますが、この一連の報道における最大の問題は何かといえば、映し出された映像とは異なり、実際にはこのとき川井議長と小池都知事は丁寧に会釈を交わしながらしっかりと握手も交わしていたことです。

時事通信社の報道映像のスクリーンショートを引用

「ひるおび」はこの握手の映像(約12秒)をカットして映像をつなぐことで、まるで川井議長が握手を拒否したような印象映像に改竄し、「握手拒否もあった」と歪曲したのです。番組は映像を編集する際に両者が握手を交わしていたことを把握していたことは自明なので、まさに「ひるおび」は意図的にフェイクニュースを流して事実を隠蔽して歪曲していたと言えます。

実際に小池都知事と川井議長が握手していたことを知らない視聴者にとってみれば、握手を拒否した川井議長は極悪の頭の黒いネズミであり、わざわざ挨拶に出向いたにも拘らず握手を拒否された小池都知事は可哀想なヒロインであると言えます。

ところがこのやり取りはまったくの歪曲だあったのです。『ひるおび』は、このことがネットで指摘されると「拒否したのは握手ではなく写真撮影でした」と謝罪しましたが、これは加害を認めるが責任は認めない「弁解」であり、国民を欺いたものと考えられます。彼らは不自然に握手のシーンだけをカットした改竄映像を見せて「握手拒否もあった」とアナウンスしたのです。

情報操作と詭弁 > 論点の誤謬 > 論点隠蔽 > 事実の消去

☆★☆★☆★☆★ 公式サイト:藤原かずえのメディア・リテラシー